ニンテンドースイッチにあのインディーゲームが移植されるかは「ゲームエンジン」次第?エンジンによる事例が分かれる

ニンテンドースイッチ向けには移植タイトルが数多発表されている。特にすでに成功報告が相次いでいるインディーゲームにおけるその傾向は強く(関連記事)、毎週多くの作品がニンテンドーeショップに送り込まれている。さまざまなクリエイターが自身の手がけた作品をニンテンドースイッチにリリースすることを前向きに語る報道がなされているなか、ニンテンドースイッチには出さないとはっきりと発言する開発者もいるのだ。

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最近「出さない」宣言をしたのは『A Hat in Time』の公式Twitter。ユーザー、Steamで高評価を得ているキュート3Dアクションゲームが、ニンテンドースイッチに発売されるのかとたずねたところ、公式アカウントは「ニンテンドースイッチでは発売されない」とはっきり回答している。出さないと発言するからには、当然なぜ発売しないのかという点に注目が集まる。これまで同公式Twitterは、開発キットを手に入れると宣言するなど、ニンテンドースイッチでの発売に積極的な姿勢を見せてきた過去がある。正式な発表があるまでは確定ではないとも述べていたが、少なくとも開発者にも意欲があったと考えられる。しかし一転して、今年に入ってからはリリースに否定的な姿勢を貫くようになった。その理由は開発者の口からは語られていないが、このツイートに対して多く「いいね」がついているのが「ニンテンドースイッチはUnreal Engine 3をサポートしていないから、それが関係しているんじゃないか」と返信だ。

はっきりとは断言できないが、開発キットを入手するまで乗り気であった開発者が一転否定的になったのは技術的な問題が関係していると考えられる。そうしてみると、ニンテンドースイッチがUnreal Engine 3をサポートしていないという理由が関わっていると推測するのは合点がいく。最新バージョンであるUnreal Engine 4のニンテンドースイッチ対応をサポートしている。一方で、前バージョンについては個々のケースによるだろうが、基本的にサポートは4がベースになっていると考えられる。

ただUnreal Engine 3タイトルとしては、『ロケットリーグ』がニンテンドースイッチ向けに発売されているので、一概にUnreal Engine 3が対応していないというのも時期尚早だろう。ただPsyonixは同エンジンをニンテンドースイッチ向けに細かくカスタムするなど多くの時間をかけて開発していることを伝えており(Nintendo Everything)、同ハード向けに特別に力を入れて開発した(もしくは再構築した)ことを留意しなければいけないだろう。

春の大型アップデートにより、TVモードでは30fpsの1080p/60fpsの720pのどちらかを選べるようになる『ロケットリーグ』。リリース後のサポートも盤石だ。

ニンテンドースイッチ向けの移植に、ゲームエンジンが大きく絡んでいることは知られた話になりつつある。その事例の代表がYoYo GamesのGameMakerシリーズ。『Undertale』や『Downwell』、『Deadbolt』など多くの傑出した2Dゲームが生み出されてきたツールだ。このGameMakerは任天堂プラットフォームに対応していないとされており、Toby Fox氏がニンテンドー3DSについての移植が問われた際も「プログラミングをふたたびする必要がある」とコメントし、結果的に同タイトルはサポート対象のハードであるPlayStation Vita/PlayStation 4にて発売された(関連記事)。

YoYo GamesもGameMaker Studio 2のFAQにてニンテンドースイッチ向けのエクスポートを実装するかと問われる質問に対し「すべてのエクスポートのオプションを模索しています、乞うご期待ください(We are exploring all export options, please stay tuned for more information.)」とポジティブな回答をしているものの、現時点では対応していないことが見て取れる。GameMakerのShowcase(タイトルリスト)に載っているものは、前述したタイトルを含めてすべてニンテンドースイッチ向けには発売されていない。Toby Fox氏の言葉を借りれば、現時点でGameMakerタイトルをニンテンドースイッチ向けに移植しようとするならば、一度プログラムし直す必要があると考えられる。

『Undertale』

となると、同プラットフォームに対応する、ゲームエンジン界の二大巨頭ともいえるUnreal Engine 4とUnityに行き着くわけだ。コミュニティの大きさやクオリティという点だけでなく、しっかりと最適化するための時間や手間が必要ではあるものの、比較的スムーズにニンテンドースイッチ向けの移植に対応するという点で利がある。もちろん、他コンソールへの移植にも対応しており、マルチプラットフォームの開発に柔軟に対応している。特にインディーゲームという観点から見ると、この2大エンジンで開発されているニンテンドースイッチタイトルは多くなりつつある。

先日にはソニーインタラクティブエンタテインメント製のゲームエンジンPhyreEngineがニンテンドースイッチに対応していることも一部で報じられた。ニンテンドースイッチに限らず、すべてのプラットフォームへのエクスポートオプションが存在することは、ゲームエンジンとして不可欠になりつつある。GameMaker製タイトル『Hyper Light Drifter』を手がけたHeart Machineは、現在Unreal Engine 4を用いて新作を開発中。ほかにもAUTOMATON編集部がGameMakerを用いて開発をおこなうデベロッパー2名に話を聞いたところ、両方が移行中もしくは移行検討中と答えた。ニンテンドースイッチ非対応が乗り換えの理由の中心にあるわけではないだろうが、GameMakerを使ってきたタイトルが他ゲームエンジンに乗り換える事例はいくつか揃ってきている。

解像度などで苦心した跡は見られたものの、マシンパワーの可能性を見せつけた『Snake Pass』

もちろん、ゲームを移植するかどうかは、マーケティング戦略やスペックとの相談がファースト・プライオリティであることは言うまでもない。そこに市場があると判断できなければリリースはしづらく、そしていくらUnreal Engine 4/Unity製のタイトルでも膨大なパワーを要するタイトルをニンテンドースイッチに移植するのは困難だろう。さらに、各プラットフォームホルダーとの関係性も無視できない。ただ、マルチプラットフォーム展開が主流となってきたインディーゲームにおいて、ゲームエンジンが持つ影響力は大きい。気になるあのタイトルがニンテンドースイッチに移植されるのかが気になる方は、まずそのゲームエンジンを調べてみれば、実現の可能性がわかるかもしれない。

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