『フォーオナー』累計プレイヤー数750万人突破。月間アクティブユーザは毎月100万人という根強い人気を見せる

 

Ubisoftは2月12日、2017年度第3四半期の決算を発表。投資家向けの収支報告(カンファレンスコール)にて、『フォーオナー』の月間ユニークユーザ数は毎月100万人を超えており、累計ユーザ数は750万人に達していることを明かした。また2017年のTwitch視聴数ランキングでは、新規タイトルの中で5位という好調ぶりを見せたと伝えている。

『フォーオナー』は2017年2月に発売された剣戟アクションゲーム。Ubisoftの長期運営タイトルとして言及されることの多い『レインボーシックス シージ』『ディビジョン』『ゴーストリコン ワイルドランズ」といった「Tom Clancy」ブランドの影に隠れがちだが、リリースから1年が経過した今でも根強い人気を誇っているようだ。累計ユーザ数には無料プレイ期間中だけ遊んだユーザも含まれるとはいえ、月間アクティブユーザが毎月100万人ということで、確かなプレイヤーベースが存在している。

ヒーローのバランス調整には賛否両論が絶えないものの、本作には他の格闘ゲームやアクションゲームでは代替できない独自の魅力が詰まっている。1年間で30回という精力的なアップデートと試行錯誤が続けられており、コミュニティを見捨てないタイトルとして信頼関係を構築してきたことも、功を奏したのだろう。2年目に突入する2018年2月にはシーズン5「Age of Wolves(狼の時代)」の開幕が控えており、今後もサポートは継続される。

『フォーオナー』の数字があまり取り沙汰されないのは、やはり「Tom Clancy」ブランドの躍進が強烈だからではないだろうか。『レインボーシックス シージ』は2017年12月に月間アクティブユーザ数の最高記録を更新したと、同報告にて伝えられている。『ディビジョン』は2018年に入った今でこそ落ち着きを見せているものの、2017年12月に大型アップデート1.8が配信された際にはプレイヤーのエンゲージメントが2倍に。「Tom Clancy」タイトル合算でのユニークユーザ数は6000万人近くに達している(2017年5月から1600万人増)。『フォーオナー』はそうした「Tom Clancy」ブランドを冠していない完全なる新規IPとして、かなり奮闘していると言えるだろう。

継続的な収益が見込める「ライブサービス」としてのゲームに力を入れているからこそ、Ubisoftは『アサシン クリード オリジンズ』のようなシングルプレイのAAA級タイトルを急ぐことなく、じっくりと時間をかけて開発できる(関連記事)。ポートフォリオ運用の見直しが生んだ好循環、『マリオ+ラビッツ キングダムバトル』『South Park: The Fractured But Whole』といったコラボレーション企画、AIやディープラーニングの分野における大学研究所との提携・論文発表など、Ubisoftは活躍領域を広めつつある。今後も『フォーオナー』のように野心的なプロジェクトの誕生に期待できそうだ。

日本時間2月15日夜には『フォーオナー』のシーズン5「Age of Wolves」が開幕する(パッチノート)。アップデートには、これまでパフォーマンスが比較的低かった剣聖・野武士・コンカラー・バーサーカー・ハイランダーのバランス調整や、新しい武器・エモートの追加が含まれる。2月19日にはPC版専用サーバの実装により、オンラインプレイ時のコネクティビティ・安定性改善が見込まれている(コンソール版での実装は後日)。また近いうちには、苦手なムーブセットに順応するための新しいトレーニングモードが追加され、新規参入者でも特訓しやすい環境が整う予定だ。


元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)