もし『キングダムハーツ3』に『スカイリム』や『プリキュア』が登場したら…。コラボ好きユーザーは180以上のコラージュ作品に夢をのせる

 

『キングダムハーツ』シリーズは、『ファイナルファンタジー』と「ディズニー」作品がコラボレーションするドリームタイトルだ。先日は最新作である『キングダムハーツ3』に「モンスターズ・インク」の登場が発表され、コミュニティは盛り上がりを見せたように、ワールドひとつの登場にも話題性がある。コラボレーションがひとつの魅力になっているといえるだろう。

しかし「ディズニー」タイトルや『ファイナルファンタジー』シリーズでだけでなく、枠を超えたコラボレーションを熱望しているユーザーもいるようだ。そうしたユーザーのひとりであるVitor Aizen氏は特にコラボ願望が強く、「もしあの作品が『キングダムハーツ3』に登場したら」という想像をコラージュアートとしてSNSにアップし続けているのだ。

氏がこれまで投稿してきたアートはざっと数えて180以上。2015年から投稿を続けており、2年半以上にもわたってあらゆる作品とのコラボレーションイメージを投稿してきた。古くは『バイオハザード4』や『クラッシュ・バンディクー』。『The Elder Scrolls V: Skyrim(スカイリム)』など顔ぶれも豊か。ゲームの枠を超えて『ゲーム・オブ・スローンズ』や『アドベンチャー・タイム』といった映像作品や、『けものフレンズ』『ふたりはプリキュア』など日本のアニメ作品も数多くカバーするなど、その幅はとてつもなく広い。

コラージュ作品は、シリーズ作品の中心人物であるソラとドナルド、グーフィーの後ろ姿をベースとし、コラボ作品の世界を背景にしつつ、作品キャラクターを添える。ぱっと見た感じはそのままコラージュなのであるが、その作品の世界観に応じてソラやドナルド、グーフィーをアレンジしたり、左側のメニューであるインタフェースを加工するといった細かいこだわりが込められている。

興味深いのはこれらの作品の多くが、サンドボックス型のPCゲーム『Garry’s Mod』を用いて作られているという点。Aizen氏に実際に話をうかがってみたところ、最初はこうしたコラボアートを作るためにPhotoshopを勉強し使っていたという。しかし『Garry’s Mod』には、質の高い既存作品のキャラクターModが多く投稿されていることに気付く。かつ同ゲームは、ロケーションの設定などもしやすい撮影向きの作品だ。この『Garry’s Mod』を使いつつツールとしてMikuMikuDanceを併用。そこにPhotoshopを絡めてコラボアートは作られているようだ。そういった意味では、ファンアートであると同時に、ゲームのスクリーンショットのようなものなのかもしれない。

そのコラボアートの幅の広さや、『キングダムハーツ』の世界観に合うかという観点が抜け落ちているようにしか見えない点で、どちらかというと闇鍋のような印象を強く受ける。しかしそうしたミスマッチ感が逆にいいのだという。接点のなさそうな世界がクロスオーバーすることこそが、コラボレーションの醍醐味だと語ってくれた。

1つのアートは大体2~5時間をかけて作られるというが、なかには長時間を要することも多いという。クオリティ自体はコラージュの域を出ないものが多いが、これを180個以上作ってきたと考えると狂気の沙汰ではない。新情報が出るたびにペースが上がっている。こうした試みは今後も楽しみたいとも言い、これからもこうしたアートの投稿を続けていくという。

どの作品も、その作品の世界観に応じたステージが用意されているが、『龍が如く』のアートのみ、桐生一馬がファンタジー世界に連れてこられたような奇妙な絵になっている。

Aizen氏は『キングダムハーツ3』の前には『大乱闘スマッシュブラザーズ』のコラージュアートを作り続けていた、無類のコラボレーション好き。インターネットが標準的になった現代では、ファンアートはひとつのコンテンツとなりつつあるが、コラボレーションアートという特殊なジャンルに熱をあげるファンもいるということだろう。大量のAizen氏のコラボアートを見たい方はこちらをチェックしてみてはいかがだろうか。ただし、各品ともそれなりの音量でその作品に応じたBGMが流れるので、そこだけ注意してほしい。