明晰夢の病院では暴力がすべてを解決する。日本人開発者が手がける”カワイイ”狂気ベルトスクロール『夢核』Steamで販売開始

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日本人ゲーム開発者鷹館氏は、“カワイイ”ベルトスクロール・アクション・アドベンチャー『夢核』をSteamにてリリースした。価格は520円で、2月23日までは10%オフの468円で購入できる。『夢核』は、ベルトスクロールアクションと探索ADVが融合したアクションゲーム。入院中の“カワイイ”女の子である「そぼこ」が、明晰夢(自分で夢であると自覚しながら見ている夢)を見ていることを自覚するところから、物語がはじまる。

「だってせっかくの夢なんだよ? できるなら、暴力的に解決したい!」

主人公そぼこは、ベッドで眠りに落ちるたび、そこが夢の中であるのをいいことに臨時看護師に変身。院内で暴れまわる患者たちを、パンチや投げ技を駆使して「大人しく」させていく。ひとしきり暴れまわったそぼこが目を醒ますと、そこはいつもの病室のベッド。いつものように診察を受けると、医者はなぜか、そぼこの退院を先延ばしにしてしまう。

ゲームは大きく分けてファイナルファイト風のアクション・パートと、グラフィックアドベンチャーのアドベンチャー・パートに分かれており、格闘アクションと物語の両方を交互に楽しむことができる。『夢核』においてもっとも目を引かれるのは、まずはその世界観だろう。主人公そぼこが入院している病院は、すべてドットで描かれている。リアルとは言い難いし、パースもおかしい。しかし、そこには病院が描かれている。手術室のドアは、はっきり手術室のドアだとわかるように描かれているし、病室のドアは病室のドア、診察室のドアは診察室のドアだと一見してわかるように描かれている。決して「手術室」と看板をかけて誤魔化すようなことをしていない。医療関係者であれば、受付窓口や、総合診療科風の診察室などが、かなりリアルに描かれていると感じるのではないだろうか。描き込みの緻密さがあるからこそプレイヤーは、昼間はちゃんと現実にいるのだと無意識のうちに自覚できるし、サイケな彩りになった風景を夢だと感じられる。些細な風景の変化にも違和感を覚えるのだ。


夢の中には「水をドバドバ吐く子」「長い子」「超長い子」「ぴょんぴょんしてる子」など、あからさまに狂ったキャラクターたちが登場する。プレイヤーは主人公とともに、最初は無邪気にそれらの患者たちと闘っていくのだが、徐々に違和感にとらわれていくことになる。些細な違和感の蓄積は、ゲームのアドベンチャー・パートでプレイヤーの心理に大きな影響を与えることに成功している。

アクション・パートは、いわゆるベルトスクロール・アクションだ。鷹館氏はアクション・パートについて、Twitterで「任意使用のアイテムや緊急回避もあるのでベルトスクロール遊んだことがない人にこそ遊んでもらえると嬉しい!」と語っている。手ごたえのある難易度であるにもかかわらず、初心者にも敷居が低くつくられている。たとえ力尽きても、主人公はすぐに夢から醒めるだけで、特にペナルティはない。長いロード時間とも無縁なので、ベッドで寝てしまえば即座に闘いに舞い戻ることができる。ベルトスクロール・アクションの入門作品としても楽しめるのではないだろうか。

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