『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』がゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞したD.I.C.E. Awardsにて“とある任天堂社員”が脚光を浴びる

今月2月23日に、アメリカのラスベガスにてD.I.C.E. Awards 2018の授与式がおこなわれた。D.I.C.E. Awards とは、Academy of Interactive Arts & Sciencesがおくるゲームアワードだ。The Game AwardsやThe British Field Target Associationなどと並び権威を持つ世界的なゲームアワードのひとつである。

スポンサーリンク

同アワードでは、昨年に各アワードの大賞を総嘗めにした『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』がまたしてもGame of the Year(ゲーム・オブ・ザ・イヤー)に輝いている。『Cuphead』や『Horizon Zero Dawn』『NieR:Automata』など昨年リリースされたさまざまなタイトルが表彰されたが、D.I.C.E. Awards 2018にて特に熱い視線を集めたのは”とある任天堂社員”だった。

ゲームアワードでは、通例受賞作品の発表があったのちに、関係者がステージに登壇しスピーチを述べるというのが一般的。D.I.C.E. Awardsにおいてもそれは例外ではない。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』がゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞した際にも、関係者が登壇した。ただ登壇した関係者は、開発プロデューサーの青沼英二氏でもディレクターの藤林秀麿氏でもない、Nate Bihldorff氏というとある任天堂社員だったのだ。

Nate Bihldorff氏はニンテンドー・オブ・アメリカのローカライズマネージャーを務めているスタッフだ。D.I.C.E. Awardsの開催は2月後半という年度末の時期であることや、アメリカのラスベガスで開催されているということもあってか、国内ゲーム会社のスタッフは出席しないケースもある。おそらく今回がそうだったように、任天堂の会社の代表としてBihldorff氏が代わりに登壇およびスピーチを担当したわけだ。

代理スピーチそのものは珍しくないが、注目を集めたのはその登壇回数だった。今回のアワードでは『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』だけでも、ゲーム・オブ・ザ・イヤーのほかに、ゲームデザイン部門、ゲームディレクション部門、アドベンチャーゲーム部門のアワード受賞に登壇。さらにはファミリー・D.I.C.E.スプライト部門には『いっしょにチョキッとスニッパーズ』が、サウンドデザイン部門には『スーパーマリオオデッセイ』が、レースゲーム部門には『マリオカート8 デラックス』が、携帯ゲーム機部門には『メトロイド サムスリターンズ』が、モバイルゲーム部門には『ファイアーエムブレム ヒーローズ』が輝いた。もともと部門の多いアワードではあるが、今年は例年以上に任天堂の受賞作品が多かったのだ。

そしてもちろん、ステージに呼ばれた際に登壇するのはBihldorff氏だ。最初は拍手喝采で迎えられていたが、何度も同じ人物がステージにあがることに対し、少しずつ観客席から笑いが飛び出すようになった。そして氏も同様に少しバツが悪かったのか、D.I.C.E.スプライト部門の受賞に際しては「またしてもこんにちは。アメリカから来たニンテンドーガイで、すいません(Sorry I’m a Nintendo guy from America)。」とコメント。その独特のコメントにより観客席は、爆笑の渦に包まれた。

Bihldorff氏はおそらく何度も登壇すること自体へのバツの悪さ、自分が日本の任天堂から来た開発者ではないこと、そして有名な存在ではない自分を自虐する意味で「(単なる)ニンテンドーガイ」という表現を使ったと思われる。ただその表現は登壇者のコメントとしては、奇妙で可笑しくもある。もともとBihldorff氏は登壇するたびに他作品へのリスペクトと受賞作品への想いを熱く語っていたということもあり、その真面目そうな外見もあってか、人々からは誠実なキャラクターに映りやすい。誠実さを見せながらも、自虐的な「ニンテンドーガイ」というコメントを発したことで、多くの人々の心をがっちりとつかみ、アワードの注目を集めたのだ。

早速SNSでは#NintendoGuyというタグの付いた投稿が多く寄せられており、その中にはXboxコミュニティープログラムマネージャーであるJosh Stein氏や任天堂傘下のレトロスタジオ、『Nuclear Throne』を手がけたインディーゲーム界隈でのインフルエンサー Rami Ismail氏、さらには女優・声優であるCloris Leachman氏など多くの著名人がBihldorff氏を「Nintendo Guy」として親しみを込めたコメントを送っている。インターネットコミュニティでは、ちょっとしたネットスラングになっているのだ。

ただ、注目を集めているのはただ「ニンテンドーガイ」という言葉にインパクトがあるだけでなく、Bihldorff氏自身がもともとの業界での評価が高いこと、そして前述したように、何度ステージ上にあがっても、どのスピーチに対しても怠ることなく真摯に取り組み続けた結果であるといえるだろう。ゲームの表彰だけでなく、ニンテンドーガイことBihldorff氏が意図せず話題を独占する意外なアワードの盛り上がりが見られた。

ニュース

Indie Pick

インタビュー

レビュー・インプレ

Devlog