『スカイリム』を移植したスタジオが『モンスターハンター:ワールド』のニンテンドースイッチへの移植に“挙手”

開発会社Iron GalaxyのAdam Boyes氏が、『モンスターハンター:ワールド』の移植を担当させてほしいとTwitterにてカプコンに呼びかけている。『モンスターハンター:ワールド』は現在PlayStation 4/Xbox One向けに発売されている。

Boyes氏は、カプコンの辻本春弘社長が東洋経済に対し語った「今モンハンワールドをスイッチ向けに出すことは難しい。」というコメントを引用したKotakuの記事のリンクを貼りつつ「ニンテンドースイッチへの移植はかなり厳しいというのは理解できますが、(we understand that porting the game to Nintendo Switch is challenging)Iron Galaxyはそれら(厳しい案件)を成し遂げてきました!やらせてみてください、後悔はさせませんよ!」とラブコール。ユーザーからの否定的なリプライに対しても「難しいですが、不可能ではないです。」「まあ見ててください!」と殊勝な返信をしている。

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こうした自信に満ちた発言は、Iron Galaxyがニンテンドースイッチ版『The Elder Scrolls V: Skyrim(スカイリム)』の移植を担当したという実績によるものだろう。ニンテンドースイッチ版『スカイリム』はPlayStation 4/Xbox One向け『The Elder Scrolls V: Skyrim Special Edition』を準拠としながらも、TVモードは900p、携帯モードでは720pで、ともに安定した30fpsで動作するとされている。それゆえにDigital Foundryなどでも完成度の高い移植と評価されているのだ。こうした背景やノウハウがあるからこそ、提案しているのではないか。

ただIron Galaxyは移植を得意とする会社であるが、影を落とす面もある。というのは、同会社は悪名高いPC版『Batman: Arkham Knight』の移植を担当した経歴もある。PC版『Batman: Arkham Knight』といえば発売初期に、一部グラフィックボードにおいてfpsが下落したり、動作が停止したりするといった報告が相次いでおり、販売停止という措置をとったり、返金を受け付ける事態にまで発展していた(関連記事)。再販されてからは良好な動作が報告されているものの、移植作業の中心にいたといわれるIron Galaxyのキャリアから、この事件を切り離すのは難しい。

むしろ懸念すべきは、同スタジオがPlayStation Vita版『Borderlands 2』を担当していたことかもしれない。オープンワールドゲームを携帯機に移植するという時点で無茶を感じさせるプロジェクトであるが、フレームレートの低下やフリーズが多発し、パッチによる修正が続いた。『モンスターハンター:ワールド』をニンテンドースイッチに移植するというイメージにおいては、こちらの実績の方が気になるのではないか。一方、Iron Galaxyはとにかく多くの移植案件を抱えているので、悪評のものばかりをあげるのはフェアではないだろう。ニンテンドースイッチ版『ロケットリーグ』『DOOM』『WOLFENSTEIN II: THE NEW COLOSSUS』の移植を担当するPanic Buttonには及ばないものの、信頼できる実績があるのも確か。

ただ前出の東洋経済にて辻本社長は「スイッチは他の据え置き機とは機能もユーザー層も違うからだ。」と語っているように、総合的な観点から判断を示唆している。技術的な難しさのみが論点ではないだろう。カプコンはそもそもニンテンドースイッチ向けにも『モンスターハンターダブルクロス』をリリースし順調に売上を積み重ねており、すでにマーケットの開拓に着手している。同ハード向けに使えるカードは、幅広いのだ。その中であえて、難しいとされる移植を選ぶ必要性についても疑問が残る。

『モンスターハンターダブルクロス』

それでもこうした話題が取り沙汰されるのは、やはり『モンスターハンター:ワールド』がそれほど話題性のある作品であることにほかならない。昨日3月5日には同作の全世界出荷750万本を記録し、カプコンの歴代出荷記録を塗り替えたと発表された。好調さがさらなる話題に呼ぶ。ニンテンドースイッチユーザーから望む声が大きくなるのも、作品の名を使いPRをおこなう企業が出てくるのも自然な流れだ。最新作が発売されて間もないが、全世界のユーザーはすでに『モンスターハンター』フランチャイズの次なる動きに注目している。

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