バトルロイヤルゲーム『H1Z1』が基本プレイ無料タイトルとして再出発。車両にて戦う「Auto Royale」で差別化を図る

 

Daybreak Game Companyは3月9日、Steamで配信されているバトルロイヤルゲーム『H1Z1』をF2P(基本プレイ無料)化した。有料タイトルとして購入済みのプレイヤーには30〜50ドル相当のスキンアイテム/クレート/ゲーム内通貨をセットにした「Appreciation Pack」が付与される。またF2P化に合わせて3種類のスキンDLCが新たに販売されている。

本作は約3年間におよぶ早期アクセス期間を経て2月28日に正式リリースされたばかり。800万セールスを突破したヒット作ではあるが、プレイヤー人口は下降傾向にある。平均同時接続ユーザ数は2017年7月の約8万6000人から2018年2月の7000人台へと90%以上もダウン。正式リリースされた2月末こそピーク時のユーザ数が1万人を超えたが、3月5日から3月8日にかけてはピーク時でも1万人を切っている(SteamCharts)。

『H1Z1』には最大150人までの同時対戦に対応したバトルロイヤルモードのほか、4人1チーム(最大30チーム)で戦う車両限定の「Auto Royale」モードが実装されている(関連記事)。F2Pのバトルロイヤルゲームというと『フォートナイト バトルロイヤル』が目覚ましい成長ぶりを見せており(3月8日には日本語版もリリース済み)、ライバル作品との差別化を図る上で「Auto Royale」は重要な役割を担うだろう。

アーケード感覚で気軽に遊べる「Auto Royale」

大型タイトルがF2P化した事例としては『Evolve』や『Battleborn』が挙げられる。いずれも無料化によりプレイヤー人口が一時的な回復を見せたが、すぐに元の数値に戻っていった。『Evolve』は2016年7月にF2P化した際に同時接続ユーザ数が200倍以上に膨れ上がったが、4か月後には1000人を切り、そのまま低迷している。『Battleborn』は2017年6月にフリープレイ版が配信され、平均同時接続ユーザ数が82人から417人へと400%超の増加を見せたものの、2か月後には100人以下に戻っている。

コミュニティの活性化という意味では、F2P化は一時的なカンフル剤としての効果にとどまることが多い。プレイヤーの時間は有限であり、無料になっただけでは継続的に遊んでもらえないのだ。一度トレンドから外れてしまった作品に人を呼び込むのは極めて難しい。ただ『H1Z1』の「Auto Royale」モードは、チーム対戦型の『Evolve』や『Battleborn』よりも新規参入のハードルが低いという過去事例との違いがある。新しい武器を備えた『H1Z1』がどのような運命を辿るのか、今後の動向を注視したい。