約1億4000万円の資金を集めた『System Shock』リメイクは2020年Q1発売予定。Kickstarterの大成功に苦しみ延期


アメリカのオレゴン州に拠点を構えるNightdive Studiosは、フルリメイク版『System Shock』を2020年Q1(第1四半期)に発売する予定であることをPC Gamerに明かした。Nightdive Studiosが開発中の『System Shock』は、1994年にリリースされた第一作目をリメイクするというもの。2015年よりプロジェクトが進行しており、2016年にKickstarterにてクラウドキャンペーンを実施し135万ドル(約1億4000万円)もの資金を集めていた。

順調に開発が進んでいたものの、莫大な資金を獲得したことにより、さらに野心的な作品にするべく舵を切った。ゲームエンジンをUnityよりUnreal Engine 4に変更、多くの新コンテンツを実装しようとするうちに方向性を見失ってしまう。正しい道に戻るためには時間が必要だとし、開発中断を発表していた(関連記事)。

Nightdive StudiosはPC Gamerに対して「見込んだ時期に対して、見込んだ機能をできる限り搭載してできるだけ早く発売することを考えると、発売時期は2020年Q1になります」とコメント。ゲームのコンセプトが複雑かつ高価なものへと変更されたことにより、新たにパブリッシングパートナーとの協議が進められていることも報告している。

2015年10月に公開された、Unityで開発されていた頃のスクリーンショット

『System Shock』は『BioShock』シリーズの源流ともされるアドベンチャーFPS。今回のリメイクとは別に、OtherSide EntertainmentとStarbreeze Studiosによってシリーズ最新作『System Shock 3』が開発中。同作は権利元であるNightdive Studiosとの提携により制作されているが、OtherSide Entertainmentは、今回のリメイク版『System Shock』の開発中断の影響はまったくなく、開発は順調に進んでいると報告している。

『System Shock』リメイクは、Kickstarterキャンペーン開始当初は2017年12月の発売が予定されていたが、結果的に2年以上の延期が確定した形だ。もともとのKickstarterのキャンペーンゴールが90万ドル(9500万円)と野心的であっただけに、130万ドルの資金調達は想定外の成功というほどではないだろう。クラウドファンディングで得た莫大な資金をいかに使うかというプランニングは、ゲーム開発者にとっての変わらぬ課題であるかもしれない。