盲目のプレイヤーたちが「音」で視て戦うマルチプレイFPS『Muffled Warfare』早期アクセス配信開始


シンガポールのインディースタジオGattai Gamesは、Steamにて『Muffled Warfare』の早期アクセス配信を開始した。定価は1010円で、5月5日までは10%オフの909円でゲームを購入できる。

『Muffled Warfare』は、全員盲目状態であるプレイヤーが、銃を使い相まみえるマルチプレイFPSだ。本作のビジュアルはモノクロで描写されており、フィールドは黒色に染まっている移動したり銃撃するといった物音を立てる行動をとると、反響定位によりその物の位置や動きがわかる。つまり、音を立てているものの周囲ははっきり見ることができる。こうした反響はもちろん音が止むと見えなくなる。リスクを考えて激しく動くか、相手の出方を待つか。音をたよりにお互いの状況を探りあうFPSなのだ。

ゲームモードは対戦のみで、ルールはデスマッチのみと極めて簡素な作りとなっている。プレイヤーはピストルを片手に、フィールドに他プレイヤーを探す。フィールドにはショットガンやライフル、ロケットランチャーやスモークといった多様な武器が存在するので、それらを拾い、戦い方を変えるのも一興だ。「音」がテーマの作品であるので、プレイヤーは静かにするのと思いきや、意外にも戦闘は荒々しく展開される。早期アクセス販売開始時点では、すぐに出会いすぐに死ぬという比較的カジュアルなデスマッチが繰り広げられている。

リスポーンが一瞬だったり、死ぬたびに好きな武器を選ぶことができるといったオプションが用意されていたりと、良くも悪くもストレスフリーに作られている印象である。一方で音をめぐる緊迫感のある戦いを期待しているユーザーは肩透かしを食らうかもしれない。ただ常に騒々しいわけではなく、1vs1の場面ではお互いに音をどう立てるかを考えながら対峙する心理戦を楽しめる場面もある。音がテーマというコンセプトや、白黒のビジュアル、撃った弾が跳ねる跳弾システムなど個性的な要素も多い。

Gattai Gamesは、国内でも発売されるPSVR向けホラー『Stifled』を手がけている。開発者のJustin Ng氏は、『Stifled』が3年をかけた作品であることに対し、『Muffled Warfare』は(4月16日時点で)3週間で作り上げたタイトルであることを告白している。早期アクセスタイトルである点も含め、まだまだ今後に期待といった印象だ。荒削りかつどう進化していくかは不透明なものの、本作の独自の楽しさは存在する印象だ。ただし、マルチ対戦ゲームとあれば、プレイヤー数確保も課題となる。

光るものを持つ『Muffled Warfare』が今後羽ばたくかは、今後の進化とプレイヤー数次第だろう。