宇宙オープンワールド『ノーマンズスカイ』念願のマルチプレイの本格導入が正式発表。探索や建築などを他プレイヤーと楽しめる

 

Hello GamesのCEOであるSean Murray氏は、本日放映された「Inside Xbox」に出演し、『No Man’s Sky(ノーマンズスカイ)』次期大型無料アップデートを7月24日に配信するとともに、Xbox One版を同日に発売すると発表した。「Inside Xbox」に出演したMurray氏は、興奮半ばに目玉であるマルチプレイの概要を語っている。

※氏の登場は48分から

『No Man’s Sky』では以前より、次回の大型アップデートではマルチプレイの本格導入が示唆されていた。Murray氏は、このマルチプレイでは友人と『No Man’s Sky』を楽しめるものであると語っている。同作は、未知や不思議に覆われた宇宙での冒険を特徴とする作品であるが、一方で孤独な作品である。しかしマルチプレイの導入により、新たな風が吹き込まれるという。マルチプレイでは、多くの友人や友人グループとともに冒険できるほか、見知らぬプレイヤーとも遭遇するという。こうしたプレイヤーとチームを組んで冒険したり、協働してサバイバルすることも、さらには“餌食”にすることもできる。友人や見知らぬ人々と協力・対戦がともに楽しめるというわけだ。

できるのは探索だけでなく、すでに実装されている建築要素を用いて、基地やコロニーを建てることが可能。複数の惑星をまたにかけて、こうした植民地を広げることもできる。惑星はともに農業をおこなったり、レースをすることもできるようだ。さらには、こうした建築物を、他者プレイヤーが発見するといった要素も。宇宙では戦闘機同士のドッグや巨大宇宙船同士の衝突も見られるという。

マルチプレイヤーモードは、多くのプレイヤーから望まれていたコンテンツであったようで、氏自身も待ち望んでいたという。そのために、開発スタッフと1年にわたりマルチプレイの研究を続けてきたとのこと。ゲーム開発を愛しており現在の状況を楽しんでいると語りながらも、コミュニティの支えについて深く感謝し、今まで我慢してくれた人々へのリワードになるようなものにしたいと語っている。アップデートおよびXbox One版以降について問われた氏は、まだまだ『No Man’s Sky』にできるとことはあるとしながら、多くを語るよりも良いコンテンツを届けたいとコメントしインタビューを締めている。

『No Man’s Sky』は、2016年8月にPC/PlayStation 4向けに発売されたオープンワールド型のアクションゲームだ。プレイヤーは謎の声に導かれ、宇宙の中心を目指して数々の惑星を渡り歩く。本作の舞台は広大な宇宙となっており、数々の惑星と宇宙がシームレスにつながっている。惑星は1800京以上存在しており、それぞれの惑星には全く異なる生命体や気候が生息しているなど、小規模のスタジオの開発作品とは思えないほどの野心がコンセプトを掲げて作られていた。

一方で、こうした野心的な宣伝文句を前面に押し出しプロモーションをおこなった結果、コンテンツ不足を中心とした誇大広告を理由とした批判が殺到(関連記事)。高まった期待にこたえることができず、Steamでは大量の低評価が投下された。ゲームコンセプトは野心的であったが、自動生成された惑星はバリエーションに欠け、またゲーム内コンテンツも多くなかったため、内容の薄さが批判された。6080円というインディータイトルとしては高価な価格も批判の要因となった。そして発売前は同期型のマルチプレイの導入を示唆しながらも、最終的には発見した惑星やアイテムの名前のシェアする程度の非同期型だったことも、批判を呼んでいた。

次回アップデートは、そうしたマルチプレイを本格的に導入するものだ。ただし、友人や見知らぬ人と協力や対立、冒険や建築、巨大戦艦同士の戦いといった甘美な響きは、発売前のMurray氏のパフォーマンスを思い起こさせるかもしれない。しかし前回と違うのは、マルチプレイのベースとなる要素は、すでにこれまでの大型アップデートによって実装されている点だ。

建築要素を導入する「Foundation」、乗り物を導入し建築要素を拡張する「Pathfinder」、ミッションやストーリーを拡大する「Atlas Rises」。三度の大型アップデートにより、シングルプレイ向けには多くのコンテンツが追加されている。次回アップデートは、これらをマルチプレイでも楽しめるようになる。もちろん、マルチプレイの導入は困難を極めるだろうし、すべての既コンテンツをマルチプレイで楽しめるとは限らない。しかしながら、何も生み出していない発売前と比べると、実現可能と思える要素は多い。

『No Man’s Sky』は発売後不評のあまり、redditユーザーがMurray氏の発売前のインタビューと発売後のゲーム状態を比較し、「実装されなかったものリスト」を作成していた。膨大なリストであるがゆえに、三度の大型アップデートを実施してもなお、このリストには未実装要素が残っている。しかし次期アップデートにより、もしマルチプレイが予告どおりに実装されれば、このマルチプレイ関連の項目が多いこのリストも、次第に実装された要素で埋め尽くされていくだろう。