『Fallout 76』の正式発表を受け、「ウェストバージニア州」に注目集まる。観光サイトへのアクセス数は15倍に


ゲームやアニメ、そしてドラマなどでは、人気作品にもなるとその作品だけでなく、その作品の舞台設定にも注目が集まることがままある。作品の舞台となる場所が観光名所となり、観光産業を支え地域に貢献したケースも確認されている。Bethesda Softworksより11月の発売を控える『Fallout 76』でも、同様の盛り上がりの前兆が現れているようだ。KotakuPC Gamerがその詳細を報じている。

先月5月にその存在が明かされ、6月11日に正式に発表された『Fallout 76』。同作では、ウェストバージニア州を舞台にゲームが展開されることが明かされている(関連記事)。そうした告知を受けて同州の関心が大きく高まっていると地元紙WCHSが報じている。WCHSがウェストバージニア州の観光出版社West Virginia Explorer(以下、WVE)を取材したところによると、WVEのサイトは『Fallout 76』の発表以来注目度が急激に高まっており、1日に訪れていた人の数が2,000人から30,000人へと増加。約15倍の人々が同サイトを訪れウェストバージニア州への観光を検討しているという。

またゲーム内にランドマークとして登場することが発表されているCamden Parkについても問い合わせが殺到しており、同パークの従業員であるAutumn Smithers氏によるとTシャツを買いたいという声が多く届いているようだ。同パークのスーパーバイザーであるShawn Wellman氏を含めて多くの関係者が、『Fallout 76』がもたらす地元への好影響を感じているほか、Smithers氏はシリーズ作品を遊んだことがないものの、最新作の購入を検討しているようだ。

また『Fallout 76』のティザートレイラー公開時から使用されているウェストバージニア州を歌った名曲「Take Me Home, Country Roads」についても注目度が高まっており、オフィシャルビデオには『Fallout 76』に関するコメントが多数寄せられている。なお「Country Roads」については、Bethesdaがカバー曲をiTunesにて配信しており、その売上の100%を人々の住まいを支援する組織Habitat for Humanityに募金するというキャンペーンも実施中だ。

Googleトレンドを見てもこうした現象は確認でき、国外だけでなく国内からのウェストバージニア州への関心が高まっていることが見て取れる。『Fallout』ほどの人気フランチャイズともなると、発売されずとも“町おこし”が始まるのだろう。『Fallout 76』のように実在する土地を舞台にした作品としては、日本の対馬を舞台にしたオープンワールド『Ghost of Tsushima』がPlayStation 4向けに開発中。YouTubeに投稿されている同作のオフィシャルのゲームプレイ動画は国内外合計すると200万回以上再生されている。同作が発売されれば、対馬への観光も多くなるのだろうか。実在の場所を舞台としたゲームが与える、聖地への影響に注目したい。