Valveがオランダにて『CS:GO』『Dota 2』のSteamマーケット取引機能を停止。同国でのルートボックス規制開始を受けて


オランダ賭博当局の是正命令を受けたValveは、同社が運営する『Counter-Strike: Global Offensive』(以下、CS:GO)『Dota 2』の2タイトルについて、Steamコミュニティマーケットでのゲーム内アイテム取引・売買機能をオランダ国内にて停止した(gamesindustry.biz)。オランダ当局は今年5月、上記2タイトルに含まれているルートボックスが同国にて禁止されている商用賭博に該当するとしてValve社と連絡を取り、620日までに仕様を変更するよう求めた。

同国ではルートボックスから手に入るアイテムの換金手段の有無により、賭博に該当するか否か判断されている。今回Valveは、換金手段に繋がるユーザー間のアイテム取引機能を停止することで基準に従った形となる(規制理由・判断基準の詳細についてはこちらの記事参考)。なおオランダ当局が調査報告書を公開した今年4月には、PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』『Rocket League』『Dota 2』『FIFA 18』の4タイトルが是正対象になっているのではないかと、オランダの国営報道機関NOSにより報じられたが、オランダ当局自体は対象タイトルを公表していない。今回のValveの対応により、『CS:GO』『Dota 2』の2タイトルが指摘対象に含まれていたことが明らかとなった。

オランダの『CS:GO』プレイヤーに送られた、取引機能停止に関するValveからのメッセージ。Image Credit: Redditユーザーu/NasCS

Valveはオランダの判断に納得しているわけではなく、今でも話し合いを続けている。だが基準に準拠することなく620日の期日を過ぎた場合は、83万ユーロ(約1億円)もしくは総売上高の10%の罰金が科されるとの忠告を受けたため(Eurogamer)、ひとまずユーザー間の取引機能を停止するほかなかったとのこと。具体的にどのように対処すればよいのか当局から指示を受けたわけではないが、調査報告書に記載されている「ルートボックスから排出されるゲーム内アイテムが譲渡可能であれば法律違反」、そうでなければ法律違反ではないという判断基準に基づき対応したという。

なおオランダに続きルートボックス規制に動いたベルギーは、換金手段の有無は関係なく、ほぼ全てのルートボックスが該当するような広範囲での取り締まりを検討している(関連記事)。何を持って賭博とみなすのか、その判断基準こそ違えど、未成年者含めギャンブル中毒の危険にさらされやすい人々を保護するという規制目的については両国一致している。ベルギーに関しては規制に乗り出す時期を公表していないが、オランダ当局は先述したように620日を期日として設定していた。計4タイトルに対し勧告を行っていたということで、Valve以外のデベロッパー/パブリッシャーにも動きが見られるかもしれない。