ムービーミドルウェア「CRI Sofdec2」が、高いデータ圧縮性能を有するビデオコーデック「VP9」に対応。まずはスマートフォン向けから

 

株式会社CRI・ミドルウェアは6月26日、高画質・高機能ムービーミドルウェア「CRI Sofdec2」の機能を拡張し、高いデータ圧縮性能を有するビデオコーデック「VP9」を搭載したと発表した。同社は、ゲーム開発向けに音声・映像のミドルウェアブランドCRIWAREを展開しており、その中で提供されているSofdec2は、クロスプラットフォーム対応の高画質・高機能のムービー再生システムで、UnityやEnreal Engine 4といったゲームエンジンにも対応。『二ノ国II レヴァナントキングダム』や『New ガンダムブレイカー』など、累計4,000タイトルを超えるゲームの開発に採用されている。

今回Sofdec2に搭載されたVP9は、Googleが開発した高い圧縮率と高画質を特徴とするビデオコーデック(動画の圧縮形式)で、YouTubeのような映像配信サービスなどで幅広く採用されている。たとえばH.264と比較した場合、同じ画質であれば動画データのサイズはおよそ半分で済むという。ゲームでは、オープニングやカットインの演出などにムービーを多用することが多い。CRI・ミドルウェアは、一例として大量のムービー演出を必要とするパチスロシミュレーターを挙げているが、特にスマートフォンのアプリにおいては、VP9を利用することでアプリの容量の節約や、ダウンロード時間の短縮に繋がり、ユーザーの負担を減らすことができるだろう。

また、αムービー(透過値付きのムービー)の再生や複数動画の連結再生、同時再生などの特殊動画再生に対応しており、ゲーム内でのリッチな演出を容易に実現できるとのことだ。Sofdec2では、メモリやCPUのリソースを節約できる独自コーデックSofdec Primeと、CPU負荷の低いH.264にも従来から対応しており、用途によって使い分けることができる。ただCRI・ミドルウェアによると、スマートフォン向けゲームタイトルであればVP9が最適だそうだ。

VP9を搭載するSofdec2は、まず第一段階としてスマートフォン(iOS/Android)向けに提供され、今後家庭用ゲーム機(Nintendo Switch/PlayStation 4/Xbox One)向けにも対応する予定である。なお、VP9は通常のSofdec2ライセンスの範囲内で使用できる。製品の詳細や料金体系については公式サイトを確認いただきたい。