『スマブラ SPECIAL』に参戦するなら、もっとマシな名前をつけていればよかった。「キングクルール」の名づけ親が自虐的に祝福

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『スーパードンキーコング』の悪役「キングクルール」の名付け親であるGregg Mayles氏が、同キャラクターが『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』にファイターとして参戦することをコミカルに祝福している。

Gregg Mayles氏はRareに所属するベテランデザイナー。『スーパードンキーコング』や『バンジョーとカズーイの大冒険』シリーズといった任天堂から発売されたRareタイトルの中核スタッフとして携わったほか、マイクロソフト傘下となった現在でも『Sea of Thieves』のリードデザイナーを担当する、最前線で活躍するクリエイターである。そしてMayles氏は、キングクルールを含んだほとんどの『スーパードンキーコング』のキャラクターの名付け親としても知られている。『スーパードンキーコング』シリーズの版権は任天堂の手にあるものの、かつて手がけたキャラクターが『大乱闘スマッシュブラザーズ』最新作にファイターとして参戦するにあたり、独特な表現で喜びを表現している。

“キングクルールが『スーパードンキーコング』の世界を飛び出し、ましてや25年近く経ってから『大乱闘スマッシュブラザーズ』に参戦するとは思いもしなかった。今思えば、5分そこらで決めてしまうのではなく、もっと時間を作って、マシな名前を考えるべきだったかもなあ。”

Mayles氏によるとキングクルール(King K. Rool)という言葉は英単語「Cruel(残酷な)」からきているようだ。「ドンキーコング」らを邪魔し続ける残虐非道(Cruel)の王様、それがキングクルールであるというわけだ。今となってはこのキャラクターの名前「キングクルール」は定着しきっているが、大舞台でのスターとして参戦するにあたっては、この名前はちょっと残念な(slightly rabbish)ものだと考えているようだ。一方でMayles氏は、今回の祝福はイギリスの自虐風のユーモアであるとも強調しており、もう一度名付けるチャンスがあっても名前はキングクルールにするとも宣言している。

氏はさらに、キングクルールに関する秘話を語る。もともと「King K. Rool」はキングケイルールという発音を想定して名付けられ、そこからキングクルールとして知られるようになったわけであるが、この“K”については何か特定の単語や名前の略ではないのだという。エゴの強いクルールが、自分をより偉く見せるためにKをつけただけであり、後から考えてみると、「Kremling」のような響きのよい名前だったり、あえて彼に似合わない「Keith」という名前をつけたりしてもよかったかもしれないと振り返っている。またMayles氏は、自身がつけた「キングケイルール」という発音が、いつの間にか「キングクルール」に変化していたことも明かしている。Mayles氏は、ほかにもさまざまな質問に対し茶目っ気に答え、キャラクターデザインを務めたSteve Mayles氏も参加し、なぜキングクルールのしっぽがなくなっていったかなどを語り合っている。

これまでキングクルールは、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズにフィギュアとして登場することが多かったが、ファイターとして参戦するのは格別なことだろう。先日公開された『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』参戦映像では、キングクルールとしてだけでなく、続編で登場するキャプテンクルールやバロンクルールとして使われた技も用いられており、ファイターとして登場するにあたってのスタッフによる緻密な作り込みが感じられる。キングクルールの参戦は、クルールファンだけでなくクルールの名付け親にとっても喜ばしいニュースであったようだ。

【UPDATE 2018/8/13 12:40】
Gregg Mayles氏はキングクルールの『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』参戦の反響に応え、さらなる開発秘話を紹介。開発初期の資料を公開し、「キングクルール(King K. Rool)」のもともとの名前は、「コマンダークルール(Kommander K. Rool)」だったと告白。最初は「司令官(K/Commander)」だった名前は「王様(King)」に変化したことなる。また原題「Donkey Kong Country」は、もともと「Monkey Mayhem」になる予定であったようだ。日本では『スーパードンキーコング』として発売されている同作であるが、原題が変われば邦題もまた変化していたかもしれない。

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