PCゲームをさまざまなデバイスでプレイ可能にするソフトRainway、来年春にXbox One向けにリリースへ。Nintendo Switch対応も諦めず


ソフトウェア開発者Andrew Sampson氏は、現在開発中のRainwayをXbox OneおよびAndroidにてリリースすると発表した。現在RainwayはWebブラウザを対象としたオープンベータテストを実施中。ここにXbox OneおよびAndroidのサポートが追加されることになる。

Rainwayは、PC(Steam)ゲームをさまざまなデバイスでプレイすることを可能にするソフトウェアだ。価格は無料。必要なものは、RainwayがインストールされたDirectX 11対応のGPU 搭載PCと、それぞれのデバイス。PCで動作させているPCゲームを、ストリーミングにより該当デバイスにてプレイ可能にするという仕組みだ。ゲームを動かす相応のスペックのPCと無線環境は必要であると、言いかえることもできる。そのかわり環境を揃えれば、高い解像度とフレームレート、低遅延でのストリーミングが実現する。

Sampson氏は、1月にベータを開始してからの道のりを振り返りつつ、IP指定やポート開放のいらない手軽なストリーミングソフトウェアとして、「Gaming First」の志を抱き開発を続けてきたと報告。Webブラウザ上では、快適にゲームがプレイできるようになってきたと自信を見せる。そして、Rainwayはまだ前進していくとし、2018年内には同ソフトをAndroidプラットフォームに対応させ、さらには2019年第1四半期にXbox One向けにリリースする予定があることを明かした。

氏はさらに、Rainwayというソフトウェアを拡張していく計画があることを発表した。ダッシュボードを一新し、PC内にあるすべてのゲームを、Rainwayのソフトウェアから起動できるように改良。そのほか、マルチホストに対応し、ソーシャル連携機能を導入。そしてRainway Partyと呼ばれる機能を追加する計画があることも発表した。この機能が追加されれば、本ソフトの使用ユーザーは、世界中の友人やプレイヤーとパーティーを作成し、ゲームをプレイできるようになる。Rainway Partyにおいては、ローカルプレイ対応ゲームもオンラインを介してプレイできるようになる。一緒にゲームを遊ぶユーザーを探す際には、国やpingによってフィルタリングすることも可能であるという。

Sampson氏は、Rainwayはもはや単なるストリーミングソフトウェアではないといい、ライブラリとしても使用できるほか、友人と遊ぶことも遠隔プレイすることも可能にする、統合ツールであると主張。確かにインターフェースを見ても、SteamやDiscordなどに近付いていっていることがわかる。Xbox One対応については「最初のコンソール対応であること」と強調しているように、ほかのコンソール対応も進めていっていることを示唆している。ここにはNintendo Switchも含まれるだろう。

Sampson氏は、Rainway発表時にNintendo Switch対応を掲げたが、その後続報が徐々に途絶えていき、任天堂と交渉中というコメントを出して以来、完全に口をつぐんだ。ファンの期待は苛立ちと変わっていき、Nintendo Switchを商品宣伝に利用するなと批判され、コミュニティとは一触即発の事態にまで陥っていた(関連記事)。あらためてNintendo Switch対応について問われた氏は、Nintendo Switch対応には依然として取り組んでいるとコメント。任天堂は素晴らしい企業であるとしながら、事態が進展するには時間が必要になるとも話した。

Rainwayはスタートアップ企業として150万ドル(約1億7000万円)の出資を受けており、単なる個人ではなく企業としての飛躍を目指している(Geekwire)。ソフトウェアの拡張やXbox One向けリリースは、そうした野心の証とも言えそうだ。