中国発の2Dサバイバルゲーム『HomeBehind』が発表。難民となりヨーロッパへの3000キロの道のりを歩むローグライク

 

中国を拠点とするデベロッパーTPP Studioは『HomeBehind』を発表した。『HomeBehind』は難民をテーマとした2Dサバイバルゲーム。主人公は内戦に巻き込まれ反乱軍の攻撃によって家を失い、娘も行方不明となってしまった難民の中年男性。過酷な状況のもと毎日を生き延び、家族に会えるかもしれないという微かな希望を抱き3000キロ離れたヨーロッパを目指す。

本作は横スクロール式にゲームが進行するローグライクゲーム。ヨーロッパへと続く道路はゲームをプレイするたびに形を変える。ゲーム中、何よりも優先すべきなのが生きる残ることだ。不安定な気持ちをコントロールしながら未だ終わっていない内戦や疫病をのがれ、食糧を確保する必要がある。ゲーム内には数百種類以上のアイテムが存在し、武器や防具、素材となるものからクラフトによって生み出されるものまで幅広い。特に料理などには手が込んでいるようで、虫を使ったものからトガゲを具にしたものまでゲテモノ揃いのようだ。

また、道中には多くのイベントが存在し、プレイヤーの援助を試みる人々や協力を申し出てくるほかの難民も存在するが、時には生存するために人間を相手に戦わなければならない。そういった敵や困難に対抗するため、主人公は旅を経て新たなスキルを会得していくなど成長要素も充実しているようだ。

ポップな見た目とは裏腹に、重厚なシナリオが展開されるのだという。
ポップな見た目とは裏腹に、重厚なシナリオが展開されるのだという。

中国を拠点としたインディースタジオは『Eastward』を手がけるPixpil Gamesなどが存在するが、まだまだその数が少ない。AUTOMATON編集部はTPP Studioになぜ難民をテーマとしたゲームを作る決意をしたのか、そして中国のインディーゲーム事情を訊ねてみた。

スタジオの代表者のPipi Zhu氏によると、氏はサバイバルゲームとローグライクゲームが個人的に大好きであることが背景にあったようだ。そしてある日、日常の中で苦しみを訴える難民を見るうちに、難民そのものになり困難に打ち勝ちヨーロッパへたどり着くという設定がゲームとしても面白いと感じ本作の開発に至ったのだという。ゲームを開発するうえで『Sheltered』や『This War of Mine』、『Skyhill』などさまざまな同ジャンルのゲームを参考にしていると語る。開発メンバーはふたりだけであり、まだ大学を卒業して1年が経過しただけの“新人”だと話す。

中国のインディー事情については、中国ではゲーム産業自体がまだ成熟しておらず、それゆえにクオリティを求めて開発するのではなく、短期的な利益を追求する傾向にあるのが成長を迫害する理由ではないかと考えているようだ。そんな業界人の考えとは裏腹に質の良い中国産ゲームを求めるユーザーの数は多く、だからこそZhu氏らはゲーム開発を始めようと決意したと語っている。

開発は順調に進んでいるようで、あと数か月以内でのリリースを目指している。対応プラットフォームはPCで、すでにSteamのGrenlightページも用意されている。