カプコン、「VR」をサポートする新規エンジンと次世代向けタイトルを同時に開発。『バイオハザード』など制作の第一開発部


カプコンは2015年10月13日に公開した「2015年3月期 統合報告書」のなかで、第一開発部が「VR」をサポートする新規エンジンと次世代向けタイトルの開発を進めていると明らかにした。第一開発部は、『バイオハザード』をはじめとするグローバル向けのメインIPを集中して開発している部門である。2016年からついに本格始動する市場を睨み、カプコンもVR分野へと足を進めつつあるようだ。

新型エンジンとゲームタイトル、同時開発

報告書によれば、第一開発部のチームは現在、VRをサポートできる新しいゲーム開発エンジンづくりと、次世代機向けタイトルの制作を同時に進行しているという。カプコンと言えば『Deep Down』と共に発表された新ゲームエンジン「Panta Rhei」の開発が進行中だが、このVRをサポートする新エンジンが「Panta Rhei」と同じ存在なのか、あるいはまったく別のエンジンであるのかは記されていない。

カプコンは2015年6月のE3にて、ソニーのVRヘッドセット「PlayStation VR(旧Project Morpheus)」向けデモ「KITCHEN」を公開している。『バイオハザード』シリーズの開発に参加してきた川田将央氏が制作した同デモは、自身が包丁で刺されていく様を体験するという内容。この際にも、カプコンはVRをサポートする新エンジンの開発を明らかにしていたが、次世代向けのタイトルと同時開発されているという情報は今回が初出だ。

カプコンは報告書内にて、「ユーザーは、常に新しいイノベーティブなゲームを求めている。それに応えるには表面化しているニーズに迎合し過ぎても、その逆でもいけない」とコメント。「ユーザーの期待を超える半歩先の開発ができるかがポイントだ」と続けている。

VR市場に目を向けると、2016年上期にはソニーのVRヘッドセット「PlayStation VR」が、また2016年早期には一般ユーザー向け「Oculus Rift」がリリース予定だ。HTCとValveの「HTC Vive」も2015年ホリデーシーズンの先行販売を経て、2016年にフルリリースされる。国内ではカプコンのほか、『サマーレッスン』のバンダイナムコゲームスや、『真・三國無双7 VR DEMO』のコーエーテクモゲームスなどがVRヘッドセット向けデモを公開しており、各社が来年へ向けどのような取り組みを進めていくのか気になるところだ。