「コードマスターズ」、閉鎖された『DriveClub』開発元「Evolution Studios」吸収へ。英国レースゲームスタジオたちが手を交える


イギリスのレースゲーム開発スタジオ「コードマスターズ」は、3月にソニーから閉鎖が発表された「Evolution Studios」の開発スタッフらをチームごと雇用した。業界メディアGameindustry.bizの取材に、「Evolution」の設立メンバーの1人Mick Hocking氏が応えている。

「Evolution」は「コードマスターズ」内でそのまま独立した開発チームとして存続する予定で、以前と同じオフィスで働けるように手配も進んでいるとのこと。買収後も「Evolution」の元スタッフはほぼ残留するそうだ。過去に開発してきたIPこそソニー側が所有しているが、レースゲームの雄である「コードマスターズ」と協力し、新たなタイトルの開発に望むことになる。

「Evolution Studios」は1999年に設立されたイギリスのスタジオ。『World Rally Championship』や『MotorStorm』など、設立から一貫してレーシングゲーム作りに挑戦してきた。2007年にはソニーに買収され、2014年にはPS4向けの新規IP『DriveClub』をリリースし継続的なアップデートを続けてきたが、今年3月末にソニーから閉鎖が発表されていた。一方で「コードマスターズ」は1986年に設立されたイギリスの老舗レースゲーム開発スタジオだ。現在は『F1』シリーズや『Grid』『Dirt』といった多数のレーシングゲーム、また時おりアクションゲームも開発している。

ともに英国でレースゲームに身を投じてきた両スタジオが、どのようなシナジーを見せるのかは気になるところだ。「コードマスターズ」はギラギラとしたハイコントラストなビジュアルを描くゲームエンジン「EGO」を所有しており、Evolutionの新作はこの「EGO」上で制作されるかもしれない。

今回の発表に関し、12年間「Evolution Studios」で働いてきたPaul Rustchynsky氏も喜びのコメントをツイートしている。

閉鎖された開発スタジオのスタッフを別のスタジオが雇用しようとしたり、あるいは開発スタジオごと買収するという話はよくある。ただ、レースゲームの開発スタジオが同じ国のレースゲームの開発スタジオに吸収されるという話は過去に例がないだろう。スタジオ閉鎖の憂き目に合いながらも、幸運にも再起の道が与えられた「Evolution Studios」の今後に期待したい。