カートリッジ式の新型ゲーム機「コレコ・カメレオン」プロジェクトが白紙に。デベロッパー側が動作するプロトタイプを提供できず

 

米国の玩具メーカー「コレコ」は、昨年末に正式発表した新型家庭用ゲーム機「コレコ・カメレオン」のプロジェクトを白紙に戻したことを明らかにした。「コレコ・カメレオン」は、同年9月に登場した「Retro Video Game Systems(以下、Retro VGS)」を前身としたゲーム機だ。ディスク形式やダウンロード方式でのゲーム販売が主流な現代において、あえてカートリッジ専用のゲーム機をコンセプトとしていた。

「Retro VGS」は、レトロゲーム専用雑誌「Retro Magazine」を出版してきたMike Kennedy氏らが中心となり進めてきたゲームハードプロジェクトだ。IndiegogoとKickstarterでクラウドファンディングを実施したものの開発資金が集まらず、のちに「コレコ・ビジョン」などを販売してきた「コレコ」のブランドのもと販売されることが決定されていた。カートリッジ専用のゲーム機というコンセプトのほか、中古で入手した「Atari Jagur」の型番が使用されていることも特徴だった。

パブリッシャーもついに決定し、昨今インディーゲーム界隈で流行しているレトロ調な作品を呼び込むはずだった「コレコ・カメレオン」。だが「Retro VGS」の開発チームが、動作するプロトタイプを「コレコ」に証明できないという問題にぶち当たっていたようだ。「コレコ」はFacebookの公式ページにて、開発チームに期日までにプロトタイプを提出するように告げたとファンにも向けて宣告したものの、後に締切は守られず契約は破棄されたことを明らかにしている。

 

 

なお海外メディアGamasutraは、今年2月にニューヨーク市内で展示された「コレコ・カメレオン」のプロトタイプが、実際には「スーパーファミコン」を使用していたのではないかという噂がインターネット上では持ち上がっていたと報じている。後に開発チーム側は噂を否定するためにプロトタイプの画像を提供したものの、ゲーム映像のキャプチャボードの回路基盤が組み込まれていたことが海外フォーラムのユーザーに指摘されるなどし、さらに嫌疑は強まっていたようだ。「Retro VGS」側はすでに公式サイトやTwitter、Facebookの公式アカウントも削除しており、残念ながら「Retro VGS」が単なる夢物語だったのではないかという疑惑が色濃く残されたかたちとなる。


初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。