『Quake Champions』はタイトル通り”チャンピオン制”のe-Sports的アリーナFPSに。独自スキルを持ったキャラクターが大量に登場

 

Bethesda Softworksとid Softwareは、E3 2016のプレスカンファレンスにて『Quake Champions』を正式発表した。idの看板シリーズの1つ『Quake』ひさびさの最新作だ。現時点で詳細はほぼ明らかにされていないが、シネマティックトレイラーと共にいくつかの概要が公開されている。

まずグラフィック面においては、ゲームエンジンには新生『DOOM』にも採用されていた「id Tech 6」を採用。120hz対応やフレームレート解放が明らかにされているが、残念ながらそれらを確認できるゲームプレイ映像は現時点で公開されていない。

トレイラーには過去の『Quake』作品に登場した「Ranger」「Advisor」や、「Nicks」「Scale Bear」と呼ばれる2人の新キャラクターが戦う様子が描かれている。

2010年にリリースされた『Quake Live』や2005年の『Quake 4』以降の最新作となる『Quake Champions』は、対象プラットフォームPCにて開発が進められているFPSタイトル。シングルプレイヤーは搭載されておらずマルチプレイヤーのみの対戦に特化した作品となっている。「早いペースのアリーナベースシューター」が約束されており、従来の『Quake』シリーズやスポーツ系FPSを求めていたユーザーにとっては嬉しい舵取りをしているようだ。

一方で従来の『Quake』シリーズには存在しなかった要素が、多彩なプレイアブルキャラクターたちだ。idによれば、本作には固有のアビリティを持ったキャラクターが多数存在しており、プレイヤーは自身の戦法に合ったキャラを選ぶことができるのだという。確かにシネマティックトレイラーでは、それぞれ個別の外見を持ったキャラクターたちが登場。前方に疾走するアビリティや、手から放ったオーブの場所へテレポートするような能力、風のようにすり抜けるスキルが確認できる。

『Overwatch』や『LawBreakers』など、ヒーロー/チャンプオン制を導入したマルチプレイヤー対戦FPSは現在の主流ジャンルの1つだ。『Quake Champions』も同様の路線であると考えられるが、興味深いのは公開されたトレイラー内のスキルが”すべて移動に関するもの”だということだろう(最後に登場したチェーンソーのようなものは、『Quake 3』以降に登場する近接武器「ガントレット」であり、従来通りならスキル等ではない)。キルした敵の武器を拾う冒頭のシーンから考えるに、武器は共通でありながらもさまざまな特殊能力を持つキャラクターたちのお陰で多彩な移動アクション(あるいはほかの能力)が楽しめる、という方向性になっているのかもしれない。

プレスカンファレンス後にインタビューに対応したidのスタジオディレクターTim Willits氏は、初代『Quake』のコードデザイナーでもあった。『Quake』といえばハードコアな対戦FPSを連想するが、多くのプレイヤーにプレイしてもらうため攻防さまざまな戦法にあったキャラクターを用意していると伝えている。『Quake Champions』の鍵は「アリーナスタイルの戦闘」「移動と攻防」、そして「チャンピオンの選択」にあるとした。

『Quake Champions』の発売時期や販売形式はまだ明らかにされていないが、次なる情報は8月にidが開催する「QuakeCon」にて公開される予定となっている。