死刑宣告からの生還。囚われのゲーム開発者ら3人が無事解放へ


このところ続くキナ臭い中東情勢については読者も日々のニュースで目にしているだろうが、本日1月18日、ワシントン・ポスト やCNN、NYタイムズなど米国大手メディアがこぞってある朗報を告げた。米国とイランによる収監者の相互交換および核合意の成立により、イランは米国人3人を釈放。現地時間の1月17日夕刻に無事ドイツへ到着したとのことだ。

この3人の詳しい身元はまだ公式発表されていないものの、米紙ワシントン・ポストの元テヘラン支局長 Jason Rezaian(ジェーソン・レザイアン)氏、キリスト教聖職者のSaeed Abedini(サイード・アベディニ)氏 、そして元海兵隊員 にしてKuma Reality Games社のゲーム開発者Amir Hekmati(アミル・ヘクマティ)氏と見られている。

Kuma Reality Gamesは『Kuma/War』『DOGFIGHT』といったPCゲーム、最近はiOS/Android向けアプリを世に送り出してきたゲーム開発会社であり、海外メディアPolygonによれば国防総省との語学学習ゲームの開発契約を行っていたとのこと。そのため2011年、イランの祖母と親戚を訪問していたヘクマティ氏をCIAのスパイ容疑で拘束。イラン側はヘクマティ氏がCIAのスパイであることを自白したとし同年5月には死刑判決、再審により最終的には懲役10年という重い刑が科せられていた。

実際にKuma Reality Games社がどのような依頼をCIAから請け負っていたのか。Polygonは昨年12月、公式に記録開示の要請(リンク先はPDF)を行ったが、要請は却下され今も詳細は明らかにされていない。

3人の解放はもちろん喜ばしいニュースだが、2007年にイランを訪れたCIA要員のロバート・レビンソン氏は現在も行方不明のままだ。また、邦人ではフリーランスの戦場ジャーナリストが取材先のシリア昨年7月以降消息不明となっており、こういったニュースはどこか遠い海の向こうのできごと……とばかりは思っていられないようだ。


家を建てたり野菜を作ったり……建築・農耕系ゲームをこよなく愛する、遅咲きのんびりゲーマー。苦手なジャンルはホラーと激しいアクションが必要なもので、話の合うゲーム仲間になかなか出会えないのが悩み。