「Magic Leap」の謎の拡張現実技術、Unity3DとUnreal Engineに対応したSDKが近日リリースへ


拡張現実技術のスタートアップ企業「Magic Leap」は、Twitter上にて近日中にもSDK(開発キット)をリリースすると明らかにした。昨年大きな注目を集めたにも関わらず、現在もその実態が明らかとなっていない「Magic Leap」と同社のAR技術だが、SDKのリリースを機にその全貌が明らかとなりそうだ。

UnityとUnreal Engine対応のSDK

「Magic Leap」は昨年登場したAR技術をメインとするスタートアップ企業だ。手の平に小さなゾウが乗る映像が話題となったほか、Googleなどの巨大企業から5億4200万ドル以上の融資を受けたことでも注目を集めたが、現在までいったい「Magic Leap」がなにを作り出しているのか、それがデバイスであるのかすらも明らかにされてこなかった。

「Magic Leap」のAR技術のSDKは、MIT Technology ReviewのEmTech Digitalカンファレンスにて発表されたのち、公式Twitterでも明らかにされた。SDKは「Unity3D」と「Unreal Engine」をサポートしており、近日中にもリリース予定だという。

おおもとのAR技術の正体がわからぬままSDKリリースが発表されるというのは前代未聞だろう。とはいえ「Unity3D」や「Unreal Engine」に対応するということで、「Magic Leap」がゲームを一つのメイン分野として焦点を当てていることは推測できる。先月公演をキャンセルしたお詫びに公開されたデモは、「職場で拡張現実型のシューティングゲームをプレイする」という内容でもあった。

Magic LeapのAR技術は“目に投射”か

「Magic Leap」は公式サイトにて「Dynamic Digitized Lightfield Signal」と呼ばれる”なにか”を紹介しており、これが現実と製作された映像コンテンツの境界線を薄らげるとしている。

技術系メディアTechCrunchは今回のSDK配信ニュースと共に、「Magic Leap」のCEOであるRony Abovitz氏が話した情報として、同社が現在チップ製造工場を建設しているとも伝えている。この工場では「Photonic Lightfield Chip」が製造されており、“前面のスクリーンに放つのではなく、直接目に光に投影するヘッドセット”に搭載される見込みだとAbovitz氏は続ける。

現在ゲーム業界では、Oculus VRの「Oculus Rift」に始まり、ソニーの「Project Morpheus」、ValveとHTCの「Viva」が2016年初頭以降にもリリース予定と見られており、VR(仮想現実)ヘッドセットがひしめき合っている状況だ。ここに「Magic Leap」のAR(拡張現実)技術が続くのか、続報を見守りたい。