『No Man’s Sky』、ユーザーの不満は大規模な返金騒動へと発展。本当に必要だった“アフターケア”は存在したか

『No Man’s Sky』に次なる試練が訪れている。先日、発売直後に比べてプレイヤーの9割が減少していると報じたが、今話題となっているのは返金騒動だ。今月25日からAmazonやPlayStation Networkといったデジタルストアが、『No Man’s Sky』に対し不満を持ったプレイヤーの要望に応じ返金を始めたという報告が相次いだ。Amazonはもともとカスタマーの満足度や状況によってケース・バイ・ケースの対応をとると規約には明記されており、今回の対応はあり得る話であるが、意外なのはソニーの対応だ。PlayStation Networkのポリシーには14日以内にダウンロードやストリーミングが開始されていないタイトルに限って返金を受け付けると声明を出しており、『No Man’s Sky』を遊んだユーザーへの返金対応は例外措置とも考えられる。

PSNは例外的な返金を認め、Steamは認めず

そしてSteamもこの件にかんして例外措置をとっているとの報告があがっている。Steamは購入してから14日以内、プレイ時間が2時間以内ならば返金を受けられるという方針だが、『No Man’s Sky』を遊んだユーザーに限ってはそれ以上のプレイ時間でも返金が行われるという。しかし、NeoGAFユーザーの報告では2時間以上プレイしてからの返金申請は受け付けてもらえなかったとの声が多い。噂が出回った直後にSteam側はこの話を否定し、わざわざストアページに警告文を載せらるという措置までとり、結局2時間以上プレイし返金を受けたユーザーがいたかという真相は不明のままだ。

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この騒動は、大手メディアのBBCが取り上げたことでさらに広がり、大きなトラブルとして世間の目にさらされることとなった。実際のデータは開示されていないものの、こうした例外の対応は、返金を要求するユーザーの多さから生まれたという文脈が前提となっていて、『No Man’s Sky』の評価を下げてしまったことは否定できない。海外ではほぼ毎日厳しいバッシングを受けてしまっている『No Man’s Sky』。何がこれほどまでに不評を買ってしまったのだろうか。

『No Man’s Sky』に対する批判で一番多く見られるのが、「期待はずれ」という声だ。2014年E3にて発表した圧巻のプロモーションビデオと、未知の可能性から話題を呼んでいた『No Man’s Sky』は、結局のところ、期待には応えられなかった。プロモーションビデオに出現していた大きな生き物もそうそう見られるようなものではなく、また宇宙での大規模戦闘なども存在せず、骨組みは素晴らしかったが骨組みだけのタイトルとして世に放たれた。開発初期のインタビューではとにかくなんでもできると豪語していたディレクターのSean Murray氏は、発売に近付くにつれて慎重な言葉を選んでいたが、結局のところ存在しなかったマルチプレイを「MMOのようなゲームではない」「プレイヤー同士が出会う確率はかなり低い」と言葉を濁し、はっきりと断言しなかった点もあまり心象が良くない。

消えてしまった広告塔

そして、こうした不満をせき止められるアフターケアが存在しなかったのも、批判が止まない要因のひとつだろう。これはHello Gamesが『No Man’s Sky』を放りっぱなしにしているという意味ではない。彼らはパッチノートを提示し、PlayStation 4版とPC版のバグに取り組み続けている。しかし、これらのバグの修正はあくまでマイナスのものをゼロにする作業だ。不具合を改善するという姿勢は評価できるが、新たなコンテンツのアップデートはそれらの対応が終わった先だと明言されており、ゲームを普通にプレイできる環境の構築に時間がかかっているという状況は、ユーザーにとって喜ばしくない。

ディレクターのSean Murray氏 Image Credit: No Man’s Sky公式サイト
ディレクターのSean Murray氏
Image Credit: No Man’s Sky公式サイト

Hello Gamesはあぐらをかいている訳ではないものの、本当に必要だったのはある種のガス抜きだったのかもしれない。というのも、あれだけ発売前に頻繁に更新していたSean Murray氏のTwitterの投稿が、8月18日を最後に途絶えている。Hello Games公式Twitterはパッチの報告のために時折投稿をしているが、広告塔であるMurray氏がなかば雲隠れしてしまったことにより、一部の海外のユーザーは怒りを露わにしている。確かに、開発スタッフが本当にすべきなのはゲームに対する取り組みであるのは間違いないが、Murray氏は表に出て何かしらのメッセージをユーザーに発信する必要があったのではないだろうか。

例えば、昨年発売された『Trine 3』がボリューム不足によって厳しい批判を浴びた際、開発元のFrozenbyteは動画を投稿し、ボリュームについて隠していたことを謝罪し、これからのゲームの未来について自分たちの言葉で語っていた。動画がユーザーの胸に届いたのか、ゲームに飽きてしまったのか定かではないが、この投稿以降激しい批判はある程度止んだ。情報を発信することが更なる批判を生む可能性もあり、こういった手法が最善とは言いがたいが、Murray氏の言葉を待っているユーザーも少なくはないだろう。

こうした過去の誇大宣伝を認め、『No Man’s Sky』の未来を示唆するアフターケアがあれば、もっとHello Gamesを応援するユーザーが多かったのではないだろうか。ほかにも、ゲーム内において発見したデータは2週間で消えてしまうのではないかという疑惑をかけられるなど(実際は一時的なバグだったようだ)まだまだ『No Man’s Sky』は海外コミュニティーの間で批判の対象してあげられ続けている。Hello Gamesはこうした負の連鎖を、時間の経過によって解決しようとしているのだろうか。

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