Microsoft、Windows 10とXbox Oneなどを包括する「UWP構想」を本格的に始動。Xboxでは家庭用ゲームハードの世代交代が無くなる?

Microsoftはメディア向けに実施したイベント「Xbox Spring Showcase」にて、Windows 10とXbox Oneに関する最新情報を公開した。多数のWindows 10/Xbox One向けタイトルに関するニュースが報じられた一方で、ハードウェアやOS分野で強い印象を与えたのが「ユニバーサルWindowsプラットフォーム(以下、UWP)」構想の始動だ。MicrosoftはWindows 10やXbox Oneなどで配信されるゲームとアプリをこの「UWP」上で構築しようと以前より推進してきた。「UWP」構想が実現すれば、デベロッパーはプラットフォームに縛られないゲーム開発が可能になり、また家庭用ハードの性能アップグレードを互換性を保ったまま行うことができるという。現地メディアのPolygonThe Guardianなどが報じている。

MS自慢のタイトルが「UWP」製で登場

「ユニバーサルWindowsプラットフォーム」とは、2015年5月のテクノロジーカンファレンス「de:code 2015」にて発表されたWindows 10向けのアプリケーション開発プラットフォームのこと。「UWP」上で開発されたアプリケーションは、Microsoftの異なるデバイス上で動作させることが可能である。わかりやすく説明するなら、基本的に「UWP」を採用してゲームを開発すれば、そのゲームはWindows 10でもXbox Oneでも、あるいはハードウェアの性能が許せばWindowsタブレットやWindows Phone上でも動作させることができるというわけだ。

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Windows Storeで販売が開始された『Gears of War: Ultimate Edition』

先日PC版はWindows Store専売となることが発表された『Quantum Break』や、Windows Storeでのリリースが開始された『Gears of War: Ultimate Edition』、またWindows 10版がリリースされている『Rise of the Tomb Raider』は、いずれもXbox One向けにもリリースされており、まさに「UWP」上で開発されたゲームの具体的な例と言えるだろう(ただし『Rise of the Tomb Raider』はPS4/Win 7向けにも開発されており、こちらは「UWP」製では無いと見られる)。また今回のイベントで発表されたTurn 10のPC向けF2Pタイトル『Forza Motorsports 6:  Apex』は、『Forza Motorsport 6』にて採用されていた「Forza Tech」エンジンでは無く、DirectX 12とUWPにて開発が進められている。今回のイベントでMicrosoftは、これら看板タイトルや有力タイトルの「UWP」版を強調し、ビデオゲームにおいても「UWP」が本格的に始動し始めたことを印象付けようとしたわけである。

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「UWP」製のビデオゲームやアプリケーションは基本的にMicrosoftが運営する「Windows Store」かXbox LIVEでしか配信することができず、これが同社にとっての”うまみ”となる。一方デベロッパーにとっては、Windows 10とXbox One向けのゲームを、同じ開発プラットフォーム上で作ることができる利点があるという。ユーザーは好きなプラットフォームを選択してゲームをプレイすることが可能で、『Quantum Break』のようにクロスバイに対応したタイトルの登場も期待できる。このほか2015年1月に発表された「Xboxアプリ」を通じ、実績やフレンドなどの情報を共有できるほか、一部タイトルでマルチプラットフォーム対戦が楽しめるのも利点となるだろうか。

Xbox Oneがアップグレード可能&世代交代は必要無しに?

さらにXbox部門のヘッドであるPhil Spencer氏は今回、より踏み込んだ内容をメディアに向けて伝えている。それが「Xbox Oneのアップグレード」だ。

現在の家庭用ハードは、一度発売されれば次の世代を迎えるまで、大きな性能向上や仕様変更は行われないのが一般的だ。しかしSpencer氏はビデオゲームの開発を「UWP」に統一することで、たとえハードウェアを大幅にアップグレードしても問題無くゲームの互換性が保たれるとしている。

現在、Xbox Oneがどのようにアップグレードされるのかは明らかにされていない。ただXboxプラットフォームは、世代ごとにコンソールを買い換える家庭用ハードウェアというよりも、よりPCやスマートフォンに近い存在になるという。もっとも現実的なのは、外付けの増設ハードウェアを販売するか、iPhoneのように定期的にモデルチェンジを繰り返すという手法だろう。PCゲームのように、自分の所持するXboxの性能に合わせてグラフィックを調整したり、あるいは最新のゲームを買うためにXboxをアップグレードあるいは買い換えるという日常が、将来的にはやって来るのかもしれない。

参考記事: Windows 10ゲーム独占販売が続く「Windows Store」の抱える問題点、Microsoftは”GfWLの再来”を防げるのか?

この壮大な「UWP」構想にデベロッパーやユーザーが付いて来れるのかは未知数だ。少なくとも現在の「UWP」においては、Windows 10版『Rise of the Tomb Raider』のリリースと共にVsyncがオフに出来ないなどの様々な問題点が指摘されており、手放しで夢のような未来だと喜ぶことはできないだろう。またPlayStation 4やWii Uなどでゲームをリリースしたいデベロッパーにとっては、現時点ではラインナップに乏しい「Windows Store」で販売することになるのに、わざわざ「UWP」を採用するのかという疑問も浮かぶ。Steamの名には及ばずとも「Windows Store」がそれなりの存在感をPCゲーム界隈で示せるようになり、さらにデベロッパーが納得する開発環境を用意することは必須だ。

なおSpencer氏は、すでに『Rise of the Tomb Raider』で指摘されている「UWP」製ゲームの問題点について、現在は改善策を模索していることをイベントのなかで明らかにしている。

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