『Batman – The Telltale Series』は、重要な決断に視聴者が介入できるユーザー参加型マルチモード「Crowd Play」が搭載。配信は8月2日


Telltale Gamesのクリエイターコミュニケーションヘッドを務めるJob “J” Stauffer氏は、アメリカのサンディエゴで開催されているComic-Con Internationalにて、8月2日に配信される『Batman – The Telltale Series』に「Crowd Play」(マルチプレイヤーモード)を搭載していることを明かした。『Batman – The Telltale Series』はTelltale Gamesが放つ、バットマンを題材にしたアドベンチャーゲーム。表の顔であるBruce Wayneと裏の顔であるBatmanの両方の視点から物語が描かれる。アドベンチャーゲームにマルチプレイヤーモードが導入されるというのは、やや珍しさがある。このモードはほかのプレイヤーと物語や重要な局面での決断を楽しむためのコンテンツになるようだ。

「Crowd Play」では、プレイヤーはほかのユーザーを視聴者として招くことができる。「Crowd Play」にはふたつのモードがあるようで、ひとつはプレイヤーが重要な決断に迫られた際、プレイヤーが視聴者の意見を募り自分が選択肢を決める、いわゆるアドバイスを求める趣旨のもの。もうひとつは、視聴者が多数決で決断を下すこと可能であるユーザー主体のものだ。ひとりでじっくり考える従来のシングルプレイに、オプションでマルチプレイヤーモードが搭載された形だ。

注目したいのが、このマルチプレイヤーモードのハードルの低さだ。従来の作品でもTwitchやSteamブロードキャストを使えば、他プレイヤーのアドベンチャーゲームのプレイを視聴しアドバイスや要望を送るといった体験が可能であった。しかし、どちらにもユーザー登録やクライアントを介するといったある程度の手間が必要とされていた。本作のマルチプレイの招待に必要なのは、あくまでひとつのリンクのみ。そのリンクをクリックすれば、プレイヤーの遊ぶゲームの“ルーム”へと到達しアクティビティに参加できる。スマートフォンなど小さなデバイスなどでも視聴可能で、これまで以上に手軽な参加が可能となっている。この「Crowd Play」は『Batman – The Telltale Series』を皮切りに今後のTelltale作品に搭載される予定。

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Telltale Gamesは『The Walking Dead』シリーズや『Tales from the Borderlands』シリーズといった「ドラマの中に入り込むような体験」ができるアドベンチャーゲームを得意とし、数々のヒット作を生み出してきた。Telltale Gamesのゲームの魅力は、プレイヤーはドラマとは違ってさまざまな決断を自分自身で下せることだ。例えば、ヒロインをとるか友人をとるか、といった選択を迫られることもあり、その判断でキャラクターを失うといった場面もある。こうしたゲームデザインやアドベンチャーゲームというジャンルから、Telltale Gamesのゲームはひとりプレイ用だと見られがちだった。

しかしStauffer氏は、こうした選択の緊張感も含めて、ゲームを家族や友人とより楽しめるようなプレイ方法を常に模索し続けてきたことを明かしている。実際にこういったソーシャル要素は以前から導入されており、エピソード形式を採用しているタイトルでは、エピソードの終わりごとに、ほかのプレイヤーがどのような決断を下したかを見ることができるシステムが用意されるなどさまざまな試みがなされていた。ブロードキャスティング形式のマルチプレイの計画も長い間議論されていたが、接続の遅延問題が技術の進歩によって解決されたことから実現に至ったようだ。

『Batman – The Telltale Series』はPlayStation 4/PlayStation 3/Xbox One/Xbox 360/PC/iOS/Androidでリリース予定。