アサクリシリーズ次回作の舞台は古代エジプトで2017年発売予定との噂、今年の新作はなし


毎年秋ごろに立て続けに新作がリリースされているUbisoftの看板タイトル『Assassin’s Creed』シリーズ。昨年4月には、中国・インド・ロシアを舞台にしたスピンオフ3部作の第1弾『Assassin’s Creed Chronicles: China』、続いて10月には、シリーズ第9作となる『Assassin’s Creed Syndicate』が発売された。しかし、2016年にはシリーズ新作のリリースは予定されていないとの情報が、海外フォーラムを中心に、AutoomobileGamereactorといった海外メディアへと広がっている。開発者を名乗る情報提供者によると、シリーズの次回作は2017年のリリース予定で、古代エジプトが舞台になるとのことだ。

 

アサシン教団とテンプル騎士団より以前

『Assassin’s Creed』は、Ubisoftが2007年から展開している暗殺がテーマのステルスアクションシリーズ。元々は、第3回十字軍が聖地エルサレムの奪還に乗り出した12世紀後半の時代を描いた3部作を予定していた作品だったが、その後、ルネサンス期をテーマにした『Assassin’s Creed II』『Assassin’s Creed: Brotherhood』『Assassin’s Creed: Revelations』や、植民地主義が桜花した時代を描く『Assassin’s Creed III』『Assassin’s Creed IV: Black Flag』『Assassin’s Creed Rogue』が毎年立て続けにリリースされた。2014年にはフランス革命を舞台にした『Assassin’s Creed Unity』が、そして記憶に新しい昨年10月には、ヴィクトリア朝を背景にした『Assassin’s Creed Syndicate』がリリースされている。スピンオフ作品も数多く作られているが、ナンバリングタイトルを含む正式シリーズの続編は毎年10月から11月頃に登場するのが恒例になっている。

海外フォーラムNeoGAFによると、Ubisoftの開発者を名乗るユーザーが画像掲示板4chanのスレッド内で情報を提供したとのこと。「(次回作は)エジプトだ。2016年内にアサクリはない。このスクショを撮っておけばいい。2016年のE3では何も発表されないから。2017年まで待ってほしい。(今年未リリースの)理由は、シリーズの完全改革を試みているからだ。プレイヤー進行や自由な戦闘システムにおいて、『The Witcher』シリーズのような感じになるかな。馬や船も復活する。開発は『Black Flag』のチームが担当する」との書き込みを残している。さらにその後、ファンからの質問にも丁寧に回答した。

シリーズ最新作のタイトルはまだ明らかになっていないが、舞台となるのは古代エジプト。アサシン教団とテンプル騎士団がまだ存在していなかった時代を背景に物語が描かれるという。『Assassin’s Creed』シリーズの前編として扱われるようだ。この時代背景が選ばれた理由として、正確な歴史文献がほとんど残っていないことから自由な発想でゲームデザインできることが挙げられている。主人公は奴隷もしくは元奴隷で、肌を黒くした「アルタイル」のような見た目とのこと。情報提供者が知る限りエジプト人ではないとしている。対応プラットフォームはPlayStation 4/Xbox One/PC。任天堂ハードに対応するかは今のところわからない。

また、これまでの作品との最大の相違点は、ゲームを飾る色彩だという。広大無辺の蒼天や青々と繁茂する草木、蜃気楼そびえる砂漠の連続。自然界が司る世界の色彩を十分に堪能できるようだ。加えて、プレイヤーが操作できるペットの鷲も登場するとのこと。ゲーム性に関しては、2013年に発売された『Assassin’s Creed IV Black Flag』のような位置づけで、村の外に出れば高所に登ることはあまりないと説明している。その時代背景から、高所を駆け上がるバーティカルなアクション性よりも、広大さを感じさせるホリゾンタルな開放的デザインに注力していることがうかがえる。

そのほか、2003年頃からUbisoft Montrealが開発に参加してきたアクションアドベンチャーゲーム『Prince of Persia』フランチャイズとの関係にも言及している。それによると、エジプトを舞台にした最新作は元々、『Prince of Persia』と『Assassin’s Creed』の中間時期に開発されていたとのことで、それがキャンセルされて技術の大半が『Assassin’s Creed』に引き継がれたのだという。さらに、Ubisoftがそもそも『Assassin’s Creed』を作り始めたのは、同社が元来ライセンスを所有していなかった『Prince of Persia』シリーズにかかるコストを削減する目的で、自社IPを生みだしたかったからと、開発の舞台裏も語られている。

今回広まった一連の情報について、Ubisoftからの公式発表はないため真偽の程は定かではないが、今年はシリーズ続編が発売されないと囁かれているように、果たして6月に予定されているゲーム見本市「E3 2016」で何も発表されないのかに注目が集まっている。伝統の毎年秋季のリリースを廃してまで開発期間を設けた理由として、過去のリソースを一切使いまわさずにスクラッチから作りなおしていることが挙げられているように、Ubisoftは過去作の単なる延長作品ではなく、フランチャイズの完全な見直しを決断したのではないだろうか。アサクリが生まれ変わる時が訪れるのかもしれない。


カナダ育ちの脳筋女子ゲーマー。塾講師、ホステス、ニュースサイト編集者を経て、現在はフリーライター。下ネタと社会問題に光を当てるのが仕事です。洋ゲーならジャンルを問わず何でもプレイしますが、ヒゲとマッチョが出てくる作品にくびったけ。Steamでカワイイ絵文字を集めるのにハマっています。趣味は葉巻とウォッカと映画鑑賞。ネコ好き。