『Myst』のようなゲームで科学を学ぶ、サイエンス・パズルアドベンチャー『Odyssey』がKickstarterキャンペーン中

アメリカ・サンフランシスコに拠点を置くThe Young Socraticsが、サイエンス・パズルアドベンチャーゲーム『Odyssey』の開発資金を募るKickstarterキャンペーンを現在実施中だ。

The Young Socraticsはアメリカの義務教育関連企業で、科学や数学の授業をその歴史や哲学とともに提供している。本作はゲームを通して科学的推論や天文学、物理学などを学ぶことができる作りになっており、対象年齢は11歳以上を想定している。

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本作の舞台はカリブ海に浮かぶ無人島であるWretched諸島だ。プレイヤーは13歳の少女Kaiからの救難無線を受けてこの島に向かう。彼女いわく家族に海賊の脅威が迫っているという。考古学者であるKaiの父親は、この島に存在するとみられるカリブの遺跡を発掘していた。何度かこの島を訪ねてきていた海賊はこの場所にお宝が眠っていると見込み、Kaiたちのボートや無線を破壊したうえで、次に訪れるまでにお宝を発掘するよう命じていた。

Kaiとその家族は島のいたるところにバリケードを設置することにした。バリケードを通るためにはパズルを解かなければならない仕組みになっているが、パズルを解くためのヒントが書かれたメモが島のあらゆる場所に置いてある。彼女らはこれで海賊を足止めする一方で、救助にきた者にはパズルを解いて助けにきてくれることを期待しているのだ。

Kaiとその家族のストーリー、探索とパズルゲーム、そして科学の学習が一体となった体験を提供する
Kaiとその家族のストーリー、探索とパズルゲーム、そして科学の学習が一体となった体験を提供する

『Odyssey』のゲームプレイは一人称視点で島を探索する形で進む。The Young Socraticsはこのゲームスタイルについて、パズルアドベンチャーゲームの名作『Myst』や『The Witness』からの影響を受けているとしている。プレイヤーは島を探索する中でKaiが残したヒントを集め、パズルを解いて次のエリアへ進むことを繰り返す。彼女は天文学や物理学など学んだことを手帳に記しており、そこから切り離された各ページがパズルを解くヒントになっている。つまり彼女たちは科学をテーマにしたパズルを作ってバリケードとして島中に設置したのだ。そしてプレイヤーはパズルを解いていくと同時に、科学を自然と学ぶことができるという仕組みだ。

本作は学習できる分野ごとに3つの章に分かれており、1つの章を終えるとWretched諸島の別の島に向かう形になる。まず第一章には科学の成り立ち、地球平面説から地球球体説への変遷、そしてアリストテレスの物理学が収録される。第二章にはプトレマイオスの地球中心説から、コペルニクスやガリレオが唱えた地動説への変遷が収録。そして第三章には自由落下の法則をめぐるガリレオと、それに異を唱えるアリストテレス派との論争が収録される。本作の発売後にはさらに3つの章を続編として発売することを計画しているという。なお、その続編に関しては本Kickstarterキャンペーンの対象ではない。

学びをゲームに導入することは古くからおこなわれており、ストーリーに史実を織り込む形のものから、本格的に教育用途に寄ったものまでさまざまだ。本作はというと、発起人であるThe Young Socraticsが教育関連企業であることから本作を通じて科学を学習できることを明確に打ち出してはいるものの、そのゲーム自体は彼らが参考にしたという『Myst』などを彷彿させるいわゆるゲームらしいゲームに見える。また公開されている動画からは科学とパズルの相性の良さを予感させ、ゲームを楽しむことが自然に学びを進めることにつながることを期待させる。

その一方で教育関連企業らしいKickstarterリワードとして、100ドル以上の出資者には本作の内容に関連した授業を提供するという。たとえば100ドルの出資者には、本作の第一章で学べる内容の講義をビデオで提供する。さらに500ドル以上の出資者はオンラインでの個別授業も受けることができる。彼らが本業として普段やっていることといえばそれまでだが、ゲームのKickstarterキャンペーンとしては面白い試みではないだろうか。(講義を希望する出資者はすでに何十人もいるようだ)。

本作は長年ゲーム開発に携わってきたベテランたちによってUnityを使用して開発されており、現在はアルファ版が完成した段階にある。本Kickstarterキャンペーンは終了までおよそ一か月を残した本稿執筆時点で、集まった出資金はすでに目標額の160パーセントに達している。しかしThe Young Socraticsによると、Kickstarterキャンペーンではよく見られるようなストレッチゴールを設定して本作を拡張することはあえてせず、本作に収録予定の全三章とそのゲームプレイをさらに磨きあげることにつぎ込むそうだ。

本作はSteamでの販売を目指してSteam Greenlightにも登録されており、Windows/Mac向けに2017年5月の発売を予定している。

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