映像アーティストのChristian Kesler氏は、一人称視点のホラーアドベンチャーゲーム『Allison Road』のゲームプレイ映像を公開した。本作は、コナミと小島プロダクションがかつてリリースしていたホラーティーザーゲーム『P.T.』に多大な影響を受けた作品だ。初となるゲームプレイ映像では、『P.T.』によく似たグラフィックスタイルや演出、そして同作の恐怖度にけっして引けをとらない極上のホラーシーンを確認することができる。ラストシーンは必見だ。
映画畑のアーティストが挑む『P.T.』崇拝ホラー
『Allison Road』は、一切の記憶を失ったまま眠りから覚めたとある人物の“5日間の夜”を描くホラーアドベンチャーゲームである。舞台は英国の郊外にあるとある家屋。プレイヤーは月曜日の夜中に悲鳴を聞いて目覚め、家の2階へと駆けのぼると、そこで大げんかするカップルと殺害された少女の姿を目撃してしまう。自分の名前もわからないまま、プレイヤーは家族である妻や娘がどこに居るのか、そしてこの家になにが起きているのかを調べなければならない。全身から血を流す女性「Lily」や漆黒の存在がプレイヤーを襲うなか、プレイヤーは“深夜3時”までに物語の謎を解き明かすことになる。
『Allison Road』はSFXアーティストやBGMなどを含めわずか6人で開発されており、さらにメインスタッフのChristian Kesler氏にとって本作は初めてのゲーム開発プロジェクトとなる。Kesler氏はもともと映画畑の人物であり、過去数年間にわたりマットペインター（合成映像）や環境アーティスト、コンセプトアーティストとして働いてきた。Kesler氏は「アベンジャーズ」や「アバター」など有名作品の制作に参加している。
今回公開された映像は過去のプリアルファ版プロトタイプの環境を紹介するトレイラーやスクリーンショットとは異なり、実際にオブジェクトを拾い上げたり、壁から血が流れるといった演出シーンも確認できる。なお今回の映像は、ネタバレを防ぐためにゲーム本編とは切り離された形で収録されているという。また映像からは確認できないが、ゲーム内にはインベントリ機能も搭載されるそうだ。
『P.T.』に影響を受けたゲームには、ほかにもPworx Studiosが手がける『The Vale』が存在するが、現時点で真の後継者は『Allison Road』と見て間違いないだろう。どこか無機質でフォトリアリスティックなビジュアルは『P.T.』の空気感を強く喚起する。静寂のなかで恐怖をあおる探索場面、ホラーシーンにおける抜群の演出、そして「Lily」の3Dモデルアニメーションも素晴らしい。
『Allison Road』はUnreal Engine 4にて開発されており、VRヘッドセット「Oculus Rift」への対応も計画されている。PC向けに2016年リリース予定だ。
