Steamオータムセール開始直前に“こっそり”値上げするタイトルが複数あったと暴かれる。各国の法律に抵触する可能性も

 

Steamでは26日からオータムセールを開催している。“探索セール”と名付けられたこのセールでは約8500本ほどのタイトルが値引きの対象となっている。国内外で盛り上がりを見せるSteamオータムセールだが、ひとつの告発によってユーザーが動揺し始めている。

 

直前にひっそりと値上げ

発端となったのはSteam Spyの管理人の投稿だ。Steam Spyとは各ゲームタイトルのユーザー数やセール情報を比較するWebツール。Steam上の様々な情報やデータを追跡している。この管理者は26日の深夜にTwitterにて告発を始めた。

“複数のタイトルがオータムセールの直前に値上げを行ない、その値段から割引したものを「値下げ」と呼んでいる。こんなことが許されるのか?”

氏が具体的に列挙したのは『Auto Dealership Tycoon』『Epistory』といったタイトルだ。AUTOMATON編集部で、Steamの価格推移を表すサイトを使って調べてみると、『Auto Dealership Tycoon』は4.99ドルで推移していたところ、オータムセール直前に突如5.99ドルまで値段が上昇していることがわかった。

画像参照:SteamDB
画像参照:SteamDB

また、SteampricesというSteamのゲームの価格上昇を追跡するサイトを見てみても、『Syberia』『Duke Nukem』のような人気シリーズを含んだかなりのタイトルが25日と26日を境に値段を上げていることがわかる。Steam Spyが取り上げた『Epistory』に関してはアップデートを契機に値段を上げた可能性があると指摘するユーザーもいるが、おおかたのタイトルはしばらくアップデートもされていない。

前述した『Auto Dealership Tycoon』や『Syberia II』などは価格推移サイトではっきりした痕跡を残しているが、その他タイトルははっきりとした痕跡は残していない。それらのタイトルはあくまで疑惑に留まるが、直前に値上げしたタイトルがあることは事実だ。セール直前に値上げを行ない、そこから値下げするというのは、消費者にお得に見せるという“事実誤認”の典型的な手法だ。

この騒動を受け、redditユーザーは怒りを見せ違法性を指摘している。イングランド、アメリカ、カナダ在住のどのユーザーからも「この値上げ行為は違法だと思う」と発言している。この件は海外では大きく広がっていないが、のちのち大きな騒動に発展する可能性もある。日本でも同様の前例があり、過去に設定したこともない高い価格を「通常価格」と謳うのは景品表示法違反の恐れがある。

Steamの大型セールはゲーマーにとって待望のお祭りとなっているが、規模が大きくなるごとにその裏では綻びが生まれているのかもしれない。