英デベロッパーSplash Damageが中国の養鶏会社に買収される見込み、不安定な養鶏業をゲームで補う狙い


香港で鶏肉製造や養鶏業を営む大手グループ企業、Leyou Technologies Holdings(以下、Leyou)は1日、子会社のRadius Maximaが、英国のゲーム開発会社Splash Damageの買収交渉を進めていることを明らかにした。あわせて、Splash Damageの創設者で現CEOのPaul Wedgwoodが保有するオンライン事業、FireteamとWarchestも売却される見込みだ。Radius Maximaがゲームデベロッパーを買収するのは今回が初めてではない。発表に際してLeyouは、不安定な養鶏ビジネスの収益を補う目的で、ゲーム部門における存在感を強めていく意向を示している。

PC向けの基本無料タイトル『Dirty Bomb』
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Splash Damageは、ロンドンを拠点に活動する英国のゲームメーカー。id Softwareの『Wolfenstein: Enemy Territory』や『Enemy Territory: Quake Wars』の開発を担当したことで知られ、近年では2011年の『Brink』や、2014年の『Dirty Bomb』を手がけている。

養鶏会社であるLeyouがゲーム業界に進出するのは、今に始まったことではない。2015年7月にも、『Warframe』で知られるカナダのデベロッパー、Digital Extremesのシェアを58パーセント獲得している。今年5月には、さらに39パーセントを追加取得した。Leyouのファイナンシャルアドバイザーを務めるFirst Shanghai Capitalが発行したプレスリリース(リンク先はPDF)の中で、ゲーム事業への展開でビジネスを多角化することで、周期的な性質から収益が安定しない養鶏業の影響を緩和できたと、Leyouは説明している。

今回の交渉では、Splash Damageに加えて、FireteamとWarchestがWedgwood氏から売却される見込みで、計1億5000万ドル以内での価格合意を目指しているとのこと。また、Radius Maximaは、Splash Damageの未発表タイトルに関する開発プロジェクトに、最大で1000万ドルの資金を供給することに同意している。