プレイヤーが2億回死ぬとゲームが完全終了する『The Flock』現在のペースでは終焉まで「40年以上」が必要に

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The Flock』が完全終了するまでには、あと40年以上必要となるかもしれない。

ホラー対戦アクションゲーム『The Flock』が8月21日にローンチされた。『The Flock』は、プレイヤーが死亡するとゲーム内のキャラクター「フロック(Flock)」の体数も減少し、フロックが絶滅するとゲームが完全停止するとして話題になったタイトル。フロックの体数がゼロになれば、対戦サーバーは停止され、さらにゲームの販売も終わるため、『The Flock』で遊ぶことは誰もできなくなる。ただし現在の死亡ペースでは、フロックが絶滅するまでに軽く40年は必要となる計算だ。

遠すぎた終焉

『The Flock』は、人類が滅亡し月日が経った西暦3000年の地球が舞台である。地球上ではフロックと呼ばれる気味の悪い生物がはびこっており、彼らは常に「光るアーティファクト」を求めさまよっている。最大5人のプレイヤーたちはこのフロックとなってゲームをプレイ。マップ上のアーティファクトを取得したフロックは「キャリアー(Carrier)」と呼ばれる存在に変身する。動くフロック達をアーティファクトの光で倒せるキャリアーと、素早く移動しさまざまなスキルでキャリアーを翻弄するフロックが、アーティファクトを巡り戦うことになる。最終的には、キャリアー状態でより多くのポイントを稼いだプレイヤーが勝利となる。

参考記事: 2億1535万8979人死ぬとゲームは「完全終了」、販売も停止に。ホラー対戦アクション『The Flock』のリリースが来週に決定

編集部では、8月21日午前8時ごろの発売から8月24日午後8時までの死亡プレイヤー数を集計した。公式サイトのトップページに掲載されている総フロック数カウンターより、ゲーム発売から60時間で3万4979人が死亡したと判断。そこから算出されるプレイヤーの死亡ペースは、1時間ごとに約583回、1日で約1万3992回となる。フロック数がゼロになるには約15392日、「約42年」は必要となる計算である。

開発スタジオVogelsapは業界メディアGamasutraの取材に対し、「ほとんどのインディーマルチプレイヤーゲームは1年以内にプレイヤー数を失ってしまう。我々はその問題を解決しようとしてみたんだ、そして『The Flock』が懐かしく思えた頃に、クライマックスと共に終焉を迎えるようにした」とコメントしていた。しかし40年以上続くマルチプレイヤーゲームは、人気フランチャイズといえどもそうそう存在しないだろう。

『The Flock』では今後、無料のコンテンツアップデートが予定されており、フロックが大量に死亡するゲームモードやイベントが登場するのかもしれない。もし現状のゲームモードしか存在しない場合は、少なくともユーザー数が激増しない限り、ゲームの終焉まで十数年は必要となる見通しだ。

『The Flock』は「前評判が高かっただけのタイトル」となりつつある。ゲームプレイの底が浅い、現時点でマップが3種類しか存在せずすぐに飽きる、全体的にゲームが洗練されていないなど、Steamユーザー海外メディアKotakuからゲームへの評価が決してよくないのも、『The Flock』の残念な雰囲気に拍車をかけている。フロックが絶滅すると、ゲーム内ではクライマックスイベントが発生する予定となっているが、終焉までたどり着くことはできるのだろうか。

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初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。