Netflix型のゲーム提供サービス「Utomik」が海外でベータテスト始動。ダウンロード方式を採用、月10ドルで145本がプレイし放題に

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米国のスタートアップ企業Utomikは、同名の月額制ビデオゲームサブスクリプションサービス「Utomik」のオープンβテストをスタートした。月額料金は9.99ドルだが、βテスト中は5.99ドルで購読できるほか、14日間の無料試用期間も提供されている。残念ながら現時点で日本向けにサービスは展開されていないが、「Gaikai」や「OnLive」とは異なるダウンロード主体の定額ゲーミングサービスに新たな注目が集まりそうだ。

新たな定額制ゲームサービスとなるか

月額9.99ドルにて「Utomik」を定期購読しているユーザーは、トリプルA級タイトルからカジュアルゲームまで様々なタイトルをプレイすることが可能で、そのタイトルは現時点で合計145本にのぼるという。ラインナップには『Darksiders』『Overlord』『Titan Quest』『The Raven』『Evoland II』といった、やや古めのタイトルたちが並んでいる。今後は週ごとにプレイ可能なタイトルが追加されてゆく予定で、すでにパブリッシング契約を結んでいるタイトルは600本にのぼるという。

なお現在、対象地域は北米や欧州などの30か国となっており、前述したように日本国内は対象外となっている。

この手のサブスクリプションサービスはまったく新しいものではなく、過去には「Gaikai」や「OnLive」といった企業がクラウドゲーミング技術を中核にサービスを展開し、現在これらの事業はソニーの「PlayStation Now」へと引き継がれている。ただ、ゲームをストリーミングするためのサーバー基地のインフラ費用が必要とされたり、プレイ時にラグが発生するなどの問題がクラウドゲーミングでは以前より指摘されており、それほど安くないサビース価格と相まって広く普及はしていないのが現状だ。

一方で「Utomik」が展開するサービスは、プレイヤーの使用するマシンのハードドライブ上に実際にビデオゲームのデータがダウンロードされるという。「No Video Streaming」が「Utomik」のキーワードの1つだ。必要最低限のデータだけをインストールし、ゲームをプレイしながら残りをダウンロードするクイックプレイ機能も搭載されている。クラウドゲーミングと比較すると、常にサーバー上からゲームをストリーミングし続ける必要も無く、またラグなどの心配も無い。

映像ではNetflixやHulu、音楽ではSpotifyなどがサブスクリプションサービスを提示しており、「Utomik」はそのビデオゲーム版を狙っているようだ。ただPCゲームでは、Steamの大型セールやHumbe Bundleなど低価格でビデオゲームを提供する機会が数多く存在しており、「買ってしまった方が早い」というユーザーも少なくはないと思われる。これらに対抗し得るラインナップとサービスを展開できるかが、「Utomik」が普及するかどうかに繋がることになるだろう。

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初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。