ノワールADV『東京ダーク』。都市の闇はプレイヤーの行動次第で姿を変える

『東京ダーク』はポイント&クリックアドベンチャーである。日本アニメ的なキャラクターデザインとビジュアルノベルの要素に、ルーカス・アーツやシエラ・オンラインのようなポイント&クリックアドベンチャーの構成が加わるという、日本と欧米で発達したアドベンチャーの構成がミックスされるありそうでなかったデザインを特徴にしている。Tokyo Indie Fest 2017では、冒頭のシーンをプレイできるが公開されていた。

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本作の主人公である刑事・伊藤アヤミは、失踪した同僚を探すために夜の街へと繰り出す。しかし彼女の頭のなかでは、赤い髪のゴスロリ少女の残像がフラッシュバックする。彼女はいったい何者なのか、そして伊藤アヤミの過去とどんな関係があったのだろうか。うかがい知れない不安を抱えながら、薄汚れた街のバーのママやサラリーマンに同僚のことを聞き出していく。探索の末に、伊藤刑事は同僚が失踪した謎を解く鍵になると思われる、赤い塗料が塗りたくられた格子を下水道で見つける。

『東京ダーク』において真新しいのは、物語を進めるためのフラグ立てや、進行をせき止めるパズルを解くといったポイント&クリックアドベンチャーお決まりの要素から解き放たれていることだ。一般的なポイント&クリックアドベンチャーなら、プレイヤーはマップをクリックして探索、入手したアイテムを使用したり組み合わせたりし、登場人物と会話を交わしいく。そのなかで、物語の進行をせき止めているパズルを解いていくのが、おもなゲームプレイだ。ところが本作では、「鍵がかかっているゴミ箱」や「ロープを使って降りる下水道」のようなパズルを解かずに素通りしてしまうことができる。たとえばロープを使わずそのまま飛び降りる、なんて強硬手段も取れてしまうのだ。

プレイヤーの選択や行動で伊藤アヤミのステータスは変わり、物語は変化していく。

もちろん強硬手段をとった分のリスクはある。伊藤刑事にはパラメーターがあり、それぞれ正気(Sanity)、警察としてのプロフェッショナル(Professionalism)、捜査(invistigation)、ノイローゼ(Neurosis)の4つが設定されている、街中で拳銃を使用したり、危険な場所を無理に進んだりすると、警察のプロとしてのパラメーターが下がったりする。以上4つのパラメーターの頭文字を取って「S.P.I.Nシステム」と呼ばれるこのシステムは、プレイヤーの選択や決断がそのまま伊藤刑事のキャラクターを形作り、出来る行動も変わってくることで物語が変化させることを狙いにしている。

『東京ダーク』は見た目以上に野心的なゲームデザインだ。これは既存のビジュアルノベルでもポイント&クリックアドベンチャーでもあまり採用されているのを見たことがない。このS.P.I.Nシステムの特徴は弊誌でも過去に取材したように、今回のデモでも健在だった。

穏健な方法も強硬手段もプレイヤー次第である『Deus Ex』を『東京ダーク』のデザインは近いかもしれない。

こうしたゲームデザインに関して開発者にお話を伺ったところ、『東京ダーク』はテーブルトークRPGがヒントになっていると話してくれた。制作スタッフのひとりに愛好されている方がおり、「ストーリーが一本道だとキャラクターの性格も固定されてしまうけれど、ADVにテーブルトークRPGの要素を加えることで、ゲームプレイによって主人公のキャラクターがどんどん変化していくことを見ていくことができる」ということを魅力にしているとのことだ。

『東京ダーク』は今年Windows・Macでのリリースを予定している。ボリュームは文章を読むのが早いプレイヤーなら4時間から5時間でクリアできるとのこと。先述のS.P.I.Nシステムに加え11のエンディングがあり、リプレイを前提にした構成のため、長い時間楽しめるものになるようだ。ゲーム自体はすでに完成されているとのことで、正式な発売日はパブリッシャーのSquare Enix Collectiveから発表されるという。公式サイトはこちらから

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