「リアルなんてもういらない」 アダルトVRエキスポ2016 イベントレポート

8月27日、都内某所で「アダルトVRエキスポ2016」が開催された。秋葉原で開催された一回目のイベントでは、あまりの人気ぶりに人が殺到し、急遽開催が中止となったことでも話題になった当イベント。第二回目の開催にあたっても、直前に会場が変更となるなど、開催前から運営サイドの苦労が察せられた。

第一回目の教訓から、第二回目の当イベントへの一般参加は事前登録による抽選制となったが、合計で約1500名の希望者から応募があったという。会場の広さから考えて、当イベントに参加できた方々は、強運の持ち主と言えるほどの倍率となったことは間違いない。

イベント内容としては、10をゆうに超える企業・団体が作品・商品を出展し、盛りだくさんの内容となった。VRというコンテンツの特性上、実際に体験することが肝となる関係で取材時間2時間を使いきってもすべてを見切れないほどのボリュームだった。

 

現実に戻れなくなってもいい気がしてくる3DCG系VRコンテンツ

イベントの中でも、まず目に飛び込んできたのは、3DCG系コンテンツだ。

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取材で最初に訪れたのはVRJCCのブース。先日のコミックマーケット90で販売され、話題をよんだ『なないちゃんとあそぼう!』は、当イベントでも非常に注目が高く、体験プレイを待つ人が常にブースの周りに集まっていた。

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実際に体験してみると、その確かな臨場感にまず驚く。目の前にあられもない姿で現れるなないちゃんだが、モデルとしても素直に可愛いと思える出来栄えで、かつゲームのコントローラーであるエアドールへのアクションが時差なくVR空間に反映され、振動の激しさによってなないちゃんの声が変わっていく様は、まさしくリアルがそこにある、といった感じだ。自分自身が見ている景色が現実世界では衆人に晒されているとわかっていながらも、どうしても特定の部位に視線が行ってしまうのは、男性の悲しい性だといえるだろう。正常位・後背位・騎乗位それぞれへの体制移動もシームレスに行われるため、場面切り替えなどで雰囲気を損なうことなく最後までプレイを楽しむことができることも確認できた。

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また、物販も開催され、ソフトはもちろんのこと、コミケで完売したオリジナルのゴーグルも少数ながら販売された。

 

ImagineVRのブースでは複数のVRコンテンツを体験することができた。

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海外メーカーが開発した『FemDomination – The Slave (フェム・ドミネーション・奴隷編)』は、プレーヤーが両手を縛られているという設定のもと、女王様にいろいろといたずらをされてしまうというコンテンツだ。海外メーカーが開発したということもあり、キャラクターの顔や体型がいわゆる洋ゲーのそれであったり、アンダーヘアーが処理済であったりと文化の違いを知ることとなった。ただ、実際にプレイしてみるとそんなことは些細な話で、目の前にグラマラスなキャラクターが現れるとただただ圧倒されるばかりだ。

ImagineVRはサイト上でこういった海外メーカーのコンテンツ販売を行っており、日本人ユーザー向けの販売の際は、モザイク処理も行っているとのことだ。

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さらにImagineVRが開発中のタイトルである『VRカノジョ。』も体験した。現在アダルトVR系のコンテンツでその3Dモデルが広く活用されている、ImagineGirlsのアイリス。そのアイリスとのコミュニケーションを楽しむゲームが『VRカノジョ。』だ。プレイヤーの部屋から始まる物語は開発中ということもあり、数分で終わる短さだが、選択肢による分岐は実装済み。ImagineGirlsのほかのキャラクターやアダルトVRとしての要素の追加など、コンテンツとして今後の展開が楽しみだ。

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KISSのブースでは『カスタムメイド3D2 with Chu-B Lip』が体験できた。多彩なパーツ・パラメーター・オプションを組み合わせることで自分好みのメイドさんを生み出すことができる『カスタムメイド3D2』を、HTC Viveおよび独自開発されたワイヤレスオナホールChu-B Lipの合わせ技を味わうことができる。

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HTC Viveを使うことでメイドさんを眺めるだけでなく、触れ合うことができる。VR空間を実際に動き回りながら、髪を撫でる・胸を触る・スカートをめくるなどが可能となり、リアリティが一気に増す。

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Chu-B Lipを使えば、より直接的な行為をすることができ、シチュエーションや体位のカスタマイズも思いのままとあっては、現実世界に戻ってくることが困難なのではないかとすら思えてしまう。

 

インタラクティブ性は少ないながらも実用性が高い実写系コンテンツ

実写系コンテンツも勢いでは負けてはいない。

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アダルトコンテンツ配信サービスのHBOX.JPブースではVRビデオの展示のみならず、実際に出演した女優さんらがお出迎え。

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VR動画+バイノーラル録音の破壊力はかなり高く、出演されているご本人が目の前にいることもあいまって、なんとも言えない気分になった。各コンテンツに対して、推奨の鑑賞姿勢が記載されている点も親切だと感じる。
そのほかにも会場でHBOX.JPサイトに会員登録したユーザーへはダンボール製のゴーグルがプレゼントされるなど、イベントに対する強い意気込みを感じた。

コスプレ系AVで有名なTMAも出展。メーカーとして、VR動画の盛り上がりには大いに期待しており、早期参入を決定したとのことだ。またオーサリングメーカーとともに出展し、高画質&VR酔い無しという、VRコンテンツに没入する上で必須な2つの要素を押さえていたことも印象的だ。

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VR空間と現実をつなげる大きな鍵ともいえるツールたち

またVRコンテンツをよりリアルに体験するためのツールにも目が行く。

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SSI JAPANが11月に販売予定の「RealBody」は当イベントにおいて、一つの台風の目といえるだろう。VRコンテンツに対しての標準装備とされる将来も有り得そうなほどに、会場内のいろいろなブースで見かけた。

簡単にいえば、シリコン製の大型オナホールなのだが、実際に触ってみるとその存在感に誰しもがきっと驚くのではないだろうか。見た目以上に重さがあり、両手でなければ抱えられないほどのずっしりとした感触がある。内部に骨格パーツが仕込まれており、使用する体位によって型崩れしないことも特徴だ。これ自体にセンサー機能はないため、『なないちゃんであそぼう!』のようなスマートフォンを用いてVR空間上のキャラクターを操作するコンテンツに使用する際は、スマートフォンをRealBody本体に貼り付けるしかないが、今後スマートフォンを差し込めるようにできないかは現在検討中とのことだ。

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オナホールに対しての別のアプローチとして、同社はCyclon X10 USBも展示していた。これはパソコンにつなぎ、使用することで、ビデオの内容と連動してホールが回転するタイプのデバイスだ。対応済みの動画コンテンツはすでに300を超えており、自分自身でCyclon X10 USBを操作するためのデータ作成も可能なため、自身が作成したVRビデオと合わせて使用することも可能となっており、実用性が高いと感じた。

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汎用性が高いデバイスとして注目したいのはONASISだ。直球な商品名だが、商品特性も非常にシンプルで、ビデオ音声に反応して振動する、という機能のみだ。ただこれをオナホールと組み合わせると驚くほどの効果が生まれる。その場で股間に押し当て体験したが、いわゆるチュパ音やピストン音などに反応し、適度な振動が生まれるため、VRゴーグル無しでも臨場感が生まれる。BGMや声などにも反応してしまう場面もあり、必ずしもすべてのシーンで連動できるわけではないが、実用的なアイディア商品といえるだろう。

 

その他にも目を引く展示が多数

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明治大MACSの展示。独自に音声収録を行い、音声内容に合わせる形でVRビデオをUnityとImagineGirlsのアイリスの3Dモデルを使い制作。VRコンテンツとして、キャラクターが現実的にユーザーの体に触覚的なフィードバックを与えられないことが一つの悩みだが、キャラクターがユーザーにひとりでするよう指示を出すというシチュエーションにすることで、その点を回避していた。開発に着手してまだ1か月とのことだったが、すでにコンテンツとして形になりつつあるところも驚きだ。

 

C&Jプロモーションは、コンテンツを制作するためのツールであるカメラInsta360シリーズの展示を行った。

360度撮影が可能で、かつiPhoneに挿して使うこともできるカメラInsta360 Nano。
360度撮影が可能で、かつiPhoneに挿して使うこともできるカメラInsta360 Nano。
そしてVR動画を撮影&配信可能なカメラInsta360 Stereo。
そしてVR動画を撮影&配信可能なカメラInsta360 Stereo。

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VRビデオとは逆のアプローチとして秀逸だったのが、SSI JAPANの女優JULIAさんの素体とARを使用した、サメジ部長ブースの展示だ。顔写真にARマーカーを仕込み、スマートフォン上で本人画像と素体を合成することで、スマートフォン越しに本人の体が目の前にあるような視覚的な刺激を味わえるとともに、実際にその体に触れることもできる。

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クラウドファンディング支援サービスのDMM.STARTERは、今回出展した企業・団体が今後海外で展開していくことの支援を目的として出展。現在DMMでは、VR動画βアダルト版が無料開放中であるため、コンテンツサイドとしてアダルトVRエキスポに出展することも今後期待したい。

 

イベント主催者である日本アダルトVR推進機構 吉田健人氏のコメント

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Q.今回イベント直前に会場が変更になった経緯を教えてほしい
A.イベントを開催するにあたり、会場側には最初からアダルトコンテンツのイベントとなることはお伝えしていました。イベントの内容自体も弁護士に確認し、問題ないとお墨付きをもらっていました。ただ地域の方から区役所に連絡が行き、区役所に呼び出され、地域住民約20名の方々と直接お話しすることになりました。「自分の娘がイベント参加者に襲われるのではないか?」といった声も実際にあり、最終的には住民の方の不安の声を鑑み、会場の変更となりました。

Q.日本のアダルトVRコンテンツは、海外でも需要はあるか
A.日本のアダルトコンテンツは海外の方からも注目をあびており、前回イベントを開催したことで海外からの問い合わせもありました。VRのコンテンツ制作という点では、海外のほうが進んでいる部分もありますが、日本独自の萌えという価値観は今後のコンテンツ制作で優位に働くのではないかと思っています。
アダルトVRエキスポの海外展開についても話をもらっており、早ければ年内に海外開催を実現できるかもしれません。

Q.アダルトVRに対して今後望むことはなにか
A.現状触感の要素が実現できていないので、その点を補う技術革新を期待しています。実写系のコンテンツは移動ができないので、そこも改善できたら良いなと思っています。次回以降にアダルトVRエキスポにご参加いただければ、今上げた2つの課題についての技術的な答えをお見せできるかもしれません。

Q.日本アダルトVR推進機構としてイベント以外の活動を教えてほしい
A.クリエイターの方々のサポートに注力していこうと思います。具体的にはセミナーを通じた技術的なサポートなどを想定しています。実施の際はWEBを通じて告知をさせていただきますので、チェックしていただければ幸いです。

Q.次回以降の開催の予定はあるか
A.ただいま調整中ではありますが、次回は大きめの会場で開催し、より多くの方にお越しいただけるようにしたいと思っています。調整がつき次第、次回イベントについては告知をさせていただきます。

 

今後も盛況が続くであろうアダルトVR業界

熱気に包まれたイベント会場での取材を終えて感じたのは、ソフト、ハードともにまだまだ発展の余地はあるものの、すでに実用的なレベルまで来ている、ということだ。実写にせよCGにせよ、作品を作るためのツールとして、カメラやゲームエンジンはすでに個人ユースでも手に入るレベルに揃っており、あとは「どれだけのクオリティで作品を作るか」という段階に入っているといえる。
実写系コンテンツは撮影現場の制約やVR酔いを低減などの理由から原則固定カメラでの撮影となることが、現状はコンテンツ制作の一つの課題となるだろう。また立体視&視点移動が可能、という点以上の付加価値が生み出されていないため、コンテンツの伸びしろはまだあるのではないかと感じた。

CG系コンテンツに関しては、没入感があるタイトルが出始めているものの、HTC ViveやOculus Rift、およびハイスペックなパソコンと、プレイヤーが導入するためのコストがまだまだ高い。実写系コンテンツがスマートフォン向けに制作されていることを考えると、スマートフォンでも起動できるタイプのCG系コンテンツが待ち望まれる。

VR元年と言われる2016年。PlayStation VRの発売を10月に控え、各所でVRを用いたアミューズメントスポットも立ち上がっている。VRに関する盛り上がりはどんどん高まっている中、その波はアダルト業界にも押し寄せており、2016年は「アダルトVR元年」でもあることを実感した。第三回目以降の開催もすでに検討されていることもあり、引き続きどのようなコンテンツが生まれてくるのか注目し続けたい。

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