『League of Legends』TOPやJUNGLEなど、チームメンバーが担当する5つのポジションとは

 

League of Legends』(以下、LoL)観戦の手引きシリーズ第3回目は、それぞれの「ポジション」について解説する。LoLは5人ずつのチーム同士が戦う対戦ゲームだ。チームの選手たちはそれぞれ異なる役割を引き受け、チームがとる戦略に沿い、課せられた役割を果たすのに最も適したチャンピオンを選択することになる。

 

チームを構成する各ポジション

TOP

敵陣地へと向かう道(レーン)のうち、マップの一番上にあるTopレーンを担当するポジション。序盤はTopレーンを守ることが主な役割となるが、中盤以降はチームの戦略とPickしたチャンピオンによって立ち回りが異なってくる。チームの最前線に立ち、敵からの攻撃を一身に引き受けることで他のポジションを守る壁役。攻撃力と耐久力を両立した戦士として相手にダメージを与える役。ダメージディーラーを強化し守る支援役。

このように、Topを担うチャンピオンの幅は非常にバラエティに富んでおり、チーム構成や戦略に応じてさまざまなプレイを実現する器用さや、強引に相手を打ち倒す積極性など、オールラウンダーであることを求められる。チームカラーや得意なスタイルごとに、さまざまな選手を見ることのできるポジションでもある。

EU LCS参加チーム「H2k」のTopレーナーであるOdoamne選手。「Gnar」「Hecarim」「Shen」といったチャンピオンを駆使し、大胆な立ち回りを見せてくれる。

 

JUNGLE

3本のレーンの間に広がるジャングルと呼ばれるエリアを駆け回り、各レーンの援護を行う遊撃手のポジション。適切なタイミングで不意打ちを仕掛けるために、敵と味方の位置を常に把握しながら戦場全体を移動する必要がある。Jungleの援護によって各レーンが優位を作り、さらにそれを広げる形で戦況が推移する現在のLoLにおいては、チームの命運を左右する重要なポジションである。

また、中盤以降のゲームに大きく影響する「中立モンスターの状況」を把握する仕事は、主に彼らが担っている。いずれも直接的な衝突だけにとどまらない多面的な技量を要求されるポジションといえる。

試合の配信中にJungleのチャンピオンにカメラが頻繁に当たるチームは、有利に戦況を運んでいるとみてよいし、逆にJungleに目立って動きがないチームは窮地に陥っていることが多い。

NA LCS参加チーム「Team Impulse」のJungle、Rush選手のプレイ。「Lee Sin」「Nidalee」といったチャンピオンで、チームを勝利に導く。

 

MID

フィールドの中央を貫通しているMidレーンを担当するポジション。フィールド全体の中央で戦うため、他のレーンへの干渉を行うことも多い。Midレーンは互いの陣地への最短距離をつなぐレーンであり、中央を突破されれば窮地に陥ってしまう重要なレーンでもある。Pickの傾向としては、スキルを使って大ダメージを与えることを得意とするチャンピオンが好まれる。時に圧倒的な技量と攻撃力で相手チームを蹂躙するようなシーンを見せてくれる、華々しいポジションでもある。

Midを担当する選手はチームの中でも特に細かい操作に優れる選手であり、そのほとんどはチームを代表するスター選手となる。

韓国のトップチーム「SK Telecom T1」のMidレーナー、Faker選手のプレイ。そのゲーム理解度は深く、操作精度は正確無比というほかない。

 

ADC

AD(物理ダメージ)でCarry(勝利をもたらす)するという意味の名を冠するポジション。担当するレーンはフィールドの下側にあるBotレーンとなる。彼らがPickする物理射撃タイプのチャンピオンは、序盤は耐久力が低く、敵の攻撃を避ける手段に乏しいため、Supportと協力しながら慎重にゲームを進める必要があるが、十分に成長すると圧倒的な攻撃力で敵チームや敵Towerを粉砕することができる。

もっとも、終盤であっても打たれ弱さが改善するわけではないので、細かい位置取りや攻撃する相手の選択など、要求される水準は高い。上手くハマれば圧倒的な攻撃力で何体もの敵チャンピオンを倒すことができるため、プレイで試合を沸かせるようなスター選手を擁するチームも多い。

https://www.youtube.com/watch?v=A3_x00lj5PQ

NA LCSからの最後の世界大会出場枠を賭けた選抜戦「Gauntlet」にて、Cloud9のSneaky選手がチャンピオン「Vayne」で見せたプレイ。打たれ弱くとも、先に相手をキルしてしまえば問題ない。

 

SUPPORT

ADCの選手を、そしてチーム全体を補佐する役目を負うポジション。担当するレーンはADCと同じくBotレーン。ダメージを与える能力よりも、仲間を守ったり敵の行動を妨げたりといった能力に長けたチャンピオンが選択される。フィールドの視界を確保する「Ward」というアイテムを重点的に設置する役目も負っており、敵の位置を把握してチーム全体の試合運びを有利にするなど、目の前の戦いにとどまらない幅広い視野が求められる。

細かい操作スキルや反射神経よりも、より大きなゲームの戦略に対する理解やリーダーシップ、経験値が求められるポジションであり、華々しい活躍が見えなくともチームを勝利へ導く偉大な選手も多い。

EU LCSトップチームであるFnaticのSupport、YellOwStaR選手。「Annie」「Janna」「Thresh」「Morgana」といった攻撃能力にとぼしいチャンピオンであっても、戦況を一瞬でひっくり返してしまう。

 

今回はチーム内での役割分担であるポジションについて解説した。各チーム、選手ごとに5つのうちのいずれか1つを必ず担当している。試合においては、同じポジションの選手同士の対決であるマッチアップがいかなる結果を導くのかに注目が集まることが多い。華々しいプレイが目立つMidやADCを手始めに、各ポジションの活躍にも目を配りつつ観戦してみるのも一興だろう。

次回からは、試合の流れについて少し掘り下げた解説を行っていく。まずは序盤の見どころとなるポイントをいくつか紹介する予定だ。

 

[記事原案: ユラガワ@Wired-Lynx]
[構成編集: 山口佐和子岡野繁浩]


『League of Legends』観戦の手引き
vol.1: いよいよ始まる世界大会、『League of Legends』の試合をネットで観戦するには?
vol.2: 『League of Legends』ネット観戦の予備知識、まずは試合の基本的な流れを知ろう
vol.3: 『League of Legends』TOPやJUNGLEなど、チームメンバーが担当する5つのポジションとは
vol.4: 世界大会開催中の『League of Legends』をネット観戦、試合序盤で注目すべきポイントとは
vol.5: 世界大会配信で盛り上がる『League of Legends』、試合中盤の見どころを解説
vol.6: 『League of Legends』試合終盤を彩るのは華々しいぶつかり合い。劇的な幕切れを目撃せよ