『League of Legends』オーストラリアの大学で公認スポーツへ。大学大会Unigamesでの種目に採用

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【UPDATE 2016/6/6 16:40】 Riot Oceaniaは6月3日付でUnigamesでの大会概要を告知した。開催日程は、地区大会が7月5~7日、全国大会が7月16~17日で、ここまでの選抜はオンラインで行われる。地区大会と全国大会の上位入賞者には、Riot Games提供の賞品が授与され、特に全国大会1位を勝ち取った大学では、Riot Gamesがミニイベントを開催する。また先日終了した春学期の大学大会では、参加プレイヤーのランクによって2部門の大会(下位ランクであるブロンズ・シルバー・ゴールド部門と、上位ランクであるプラチナ以上部門の2つ)が開催されていたが、Unigamesではこうしたランクによる部門別開催は行わないとのこと。この発表に対し、プレイヤーのほとんどを占める下位ランクが参加できる部門がなくなったことを残念がる声がユーザーから上がっており、「今後の大学大会では下位部門の開催も検討している」とRiot社員のMaraudaur氏はコメントしている。ユーザーの書き込みによると、上位ランクに参加できるアカウントを持つプレイヤーが別個作成したサブアカウントを使って下位部門に参加し、大会を荒らすということも過去の大会で起こっているようで、下位部門大会の開催に関しては、公平性をどのように担保するかという問題点もある。


『League of Legends(LoL、リーグ・オブ・レジェンド)』を開発運営するRiot GamesがAustralian University Sportとの提携を発表し、毎年夏に行われるオセアニア地域の大学スポーツ大会「Unigames」での種目に『LoL』がe-Sportsとして採用されたと、5月27日付でKotaku AustraliaThe Roarといったオーストラリアのゲーム・スポーツメディアが報じている。

報道によれば、Unigamesで各種目の頂点を目指すには、4つの大会を勝ち抜く必要がある。まず大会参加を目指すチームは、参加する大学ごとで6月に開催される「大学間大会」に参加する必要がある。次に、全国大会への選抜となる「オンライン地区大会」が7月5~7日に開催される。地区大会は東地区(ニューサウスウェールズ州・オーストラリア首都特別地域)、北地区(クイーンズランド州)、南地区(ヴィクトリア州・サウスオーストラリア州・タスマニア州)、ニュージーランド地区、ワイルドカード地区(それ以外の地域)という区分で行われ、各地区の優勝チームが全国大会への出場権を得る。その次が「全国大会」で、地区大会を勝ち抜いた各地域のトップチームが戦うオンライン大会となっている。全国大会はラウンドロビン方式で行われ、決勝大会への出場チームを決定する。最終的に全国大会を勝ち抜いた2チームが、9月25~30日にパースで開催されるUnigamesの会場にて、観衆の前で優勝決定戦に臨む、という流れだ。

Unigamesの採用種目は39種目におよび、Australian University Sportに加盟する42の大学が競い合う。この大学数はオーストラリアおよびニュージーランドにある大学のほとんどとなっている模様。2016年のプログラムにはさっそく地区大会の予定が追記されているようだ。

「競技的スポーツとしてe-Sportsが広範囲に認知されるようになるというのは、『LoL』プレイヤーにとって刺激的なことでしょう。オセアニアじゅうの大学チームが競い合い、技量を見せてくれるのが待ちきれません」と、Riot Games Oceaniaのe-Sports部長Daniel Ringland氏は述べている。

またAustralian University SportのCEOであるDon Knapp氏は「オーストラリアじゅうのキャンパスで、e-Sportsのプレイ人口が急速に増えており、学生が積極的に参加しているというのは、確かに私たちの知るところです。Australian University Sportは、キャンパスでのコミュニティにもっと広く入っていくための新たな手段として、『LoL』というプラットフォームを通して学生の経験を促進していくことに、強く関心を寄せています」ともコメントしている。

オセアニア地域では既に公認サークル情報サイト「Club Directory」が運営されており、学生であれば手軽に所属大学のサークルを探したり、ない場合は設立したりといった手続きが可能になっている。また地域の公認大学大会「Oceanic University Championship」も5月1日に「OUC 2016 Semester 1」の決勝戦が行われており、シドニー工科大学のチームが優勝を収めている。

e-Sportsのプロ選手は、高校生~大学生の頃にゲームに熱中することで才能を開花させるパターンが多いため、こうした大学大会の推進は地域におけるプロシーンの活発化につながるだろう。また、学校のような機関に認められて学生が公的にゲームに取り組むことで、地域でのゲームやe-Sportsといったものの文化的・社会的地位も高まるものと思われる。北米の大学ではe-Sports奨学金制度が広まりつつあるが、Unigamesでの種目採用を受け、オセアニア地域の大学でも同様の奨励制度が設けられる可能性もあるだろう。日本でも学生プレイヤーのコミュニティ活動推進が始まっており、海外での動きに追随する形となっている。『LoL』をスポーツ・文化として推進する国内外の動きには、ゲームコミュニティ以外からの注目も大いに集まっている。