『リーグ・オブ・レジェンド』韓国サーバーにてチート対策システム「デマーシア」が稼働へ。ほか地域でも実装予定か

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国民的ゲームとして『リーグ・オブ・レジェンド』のプレイヤー人口が多く、競技的にも世界最強地域として知られる韓国。その韓国サーバーにて、強力なチート対策プログラムが実装されたことが明らかになった。

どんなネットゲームも、チートやbotといった問題と無縁ではない。『リーグ・オブ・レジェンド』も例外ではなく、そういった不正行為に対してはアカウントの即時永久停止という形で重い罰が下される。韓国サーバーでは住民登録番号ひとつにつき5つまでというアカウント作成制限があるにもかかわらずチーターが多く、運営が取り締まりに四苦八苦していることで知られている。

そんな韓国サーバーにて、6.16パッチより「Xigncode3」が導入されたとの報がコミュニティを駆け巡った。Xigncode3は韓国のWellbia.com社が制作しているオンラインゲーム向けセキュリティソフトであり、アジア製のオンラインゲームタイトルの多くで採用されている。Xigncode3は過去48時間以内に当該のPCで使われたプログラムをスキャンし、PCのパフォーマンスの低下を引き起こすこともあるため、スパイウェアの一種として嫌うユーザーも存在する。韓国のコミュニティ内では『リーグ・オブ・レジェンド』のセキュリティソフトとしてXigncode3が採用されたことにについて、大きな議論が巻き起こった。

これに対してRiot Games Koreaの社員であるRuneterra氏が声明を発表。Riot Games KoreaはXigncode3の開発会社と共同でチート対策プログラムの開発に取り組んでいることを認めた。しかし開発しているのは『リーグ・オブ・レジェンド』に特化したセキュリティシステムであり、プログラムの構造上PCのパフォーマンス問題などを引き起こすことはないと説明。また現在はライブサーバー上でテストを行っている段階であるが、テスト中に検出されたチーターはすべてアカウントを永久停止されるとのこと。

Runeterra氏による簡単な説明の数時間後、Riot Games Korea代表イ・スンヒョン氏が韓国サーバー公式サイトに正式告知を発表した。発表によれば、Riot Games KoreaはWellbia.com社と共同で「デマーシア」と呼ばれるチート対策システムを開発し、8月30日から1週間にわたりライブサーバー上でのテストを行っている最中であるとのこと。このシステムによりチーターの取り締まりスピードが向上し、チート検知から1日~数日以内にアカウントの永久停止処置が行われることになるという。最終的には、チートプログラムが使われる前にその動作を阻止する機能を盛り込む計画になっているそうである。「デマーシア」システムはクライアント内に組み込まれるプログラムであるため、データ漏洩やパフォーマンス低下の恐れもないことを、PBEにて既にテスト済であるとも明言されている。同時発表されたFAQでは、チーターだけでなく大量のbotプログラムも検出できる見込みとのことである。

この取り組みはRiot Games Koreaが始めたものであり、今後各地域のサーバーでも順次実装予定であるという話も出ているが、Riot Games側からのはっきりとした発表はまだない。こうした自動検知システムでは誤検知の問題もついて回ることになるわけだが、チートが大きな問題になっている韓国サーバーのみでテストを兼ねた本実装を行った後に全世界規模で実装、という流れであっても不思議はない。

イ・スンヒョン氏の告知の冒頭によれば、韓国サーバーでチート等を行ったとして今年1~8月の間に永久停止処分となったアカウントの数は、24万にのぼる。チート対策システム「デマーシア」は韓国サーバーで9月7日より正式稼働。

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