Bethesda が、海外ドラマ「ウエストワールド」のゲームの開発・販売元を著作権侵害で提訴。『Fallout Shelter』と同じバグが発生し疑惑を深める

Bethesda Softworksが、Warner Bros. EntertainmentとデベロッパーのBehaviour Interactiveに対して、アメリカ・メリーランド州の地方裁判所にて訴訟を起こしていたことが6月22日明らかになった。海外メディアPolygonなどが報じている。Bethesdaは、Warner Bros.がリリースした『Westworld』について、自社の『Fallout Shelter』のあからさまな模倣品(a blatant rip-off)だと主張し、両社に対して契約違反・著作権侵害・不正競争・企業秘密の不正流用について訴えている。

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『Fallout Shelter』は、2015年にモバイル向けに配信され、その後PCやコンソール向けにもリリースされた基本プレイ無料のシミュレーションゲーム。配信開始からわずか2週間で5億円を超える利益を上げ、昨年9月段階で100万ダウンロードを達成したヒット作だ。『Fallout』シリーズの世界観をもとにしており、プレイヤーは地下シェルターVaultの繁栄を目指し、施設を建設して居住者の暮らしに介入する。

一方の『Westworld』は、アメリカの映画・テレビドラマ「Westworld(ウエストワールド)」をテーマにした基本プレイ無料のモバイル向けシミュレーションゲームである。プレイヤーは西部劇テーマパークを運営し、ここで好きに暮らすゲストの欲を満たすよう、アンドロイドのホストを製造してあてがう。『Westworld』がリリースされたのは今年6月21日のため、Bethesdaはその日のうちに提訴したことになる。

『Westworld』については、もともと『Fallout Shelter』との類似性がメディアなどにより指摘されていたが(訴状でも多数引用されている)、どちらのタイトルもBehaviourが開発を担当していた事実が、ただ見た目やゲームプレイが似ているという以上に深刻な問題となっているようだ。ちなみに、Behaviourは『Dead by Daylight』など多数の開発実績を持つスタジオである。Bethesdaは、Warner Bros.は「Westworld」のIPを使って、大きな成功を収めた『Fallout Shelter』と同じようなゲームを制作するためにBehaviourと契約し、そしてBehaviourは著作権で保護された『Fallout Shelter』のソースコードや企業秘密など、Bethesdaの知的財産を無断で持ち出して流用したと主張している。

Bethesdaはその証拠のひとつとして、『Fallout Shelter』のソースコード内に存在した欠陥を挙げている。『Fallout Shelter』のリリース前のバージョンでは、その欠陥によってゲーム画面の中心がぼやけて徐々にピントが合っていくようなバグが発生していたそうだが、『Westworld』のデモ版をプレイした際にもまったく同じバグが発生したという。そのためBethesdaは、Behaviourが『Fallout Shelter』のソースコードを『Westworld』に流用したと主張しているわけだ。これだけ見ればWarner Bros.も一種の被害者のように思えるが、Bethesdaは、BehaviourはWarner Bros.に促される形でこのような契約違反行為をおこなったのだと主張している。

訴状ではそのほかに、手前側の壁を廃したビジュアルの部屋を地下に配置していく『Fallout Shelter』のゲームプレイ画面と、同じスタイルの『Westworld』のゲームプレイ画面を並べ、類似性を指摘している。たとえば、両者の部屋の奥行きや、消失点を画面の中心に置いた遠近感、また画面を左右にパンした時にもその消失点の位置を変えず、部屋をさまざまな角度から見ることができる様子や、その際のビジュアルエフェクトが同一だという。

さらに、部屋をズームイン/アウトするための操作方法や、住民の配置方法、部屋を追加する際のメカニクス、また3D空間にカートゥーン調の2Dキャラクターを配置することや、キャラクターの特定のアニメーションの同一性なども指摘されており、Bethesdaは『Fallout Shelter』と『Westworld』でこれらの要素が類似していることも、すべて同じソースコードを使って制作されたことの証左だと主張している。

ゲームの類似性を巡っては、たとえばバトルロイヤルゲーム『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』を手がけるPUBG Corporationが、『荒野行動』と『Rules of Survival』についてパブリッシャーのNetEaseを訴えたことが今年4月に話題となった(関連記事)。こちらでもゲームデザインやアセットのビジュアルなどさまざまな類似点が訴状にて指摘されたが、今回の『Fallout Shelter』と『Westworld』のケースは、ソースコードの不正な流用によって生まれたとする類似性が主な争点となっており、問題の本質はやや異なるようだ。

Bethesdaは、Warner Bros.とBehaviourに対して、『Westworld』のすべてのバージョンの配信中止と、開発およびサポートの終了、さらにこれらの著作権侵害によって被った被害の賠償などを求めており、どのような結論を見るのか注目される。

*Bethesdaによる提訴が報じられた後、『Westworld』公式Twitterアカウントが「暗号は解読できたかい?」とツイート。このタイミングで“コードをクラック”を示唆するのは意味深であり、挑発的にも受け取れる。勝算があるのか、本件とは無関係のプロモーションの投稿なのか。真意はいかに。

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