SteamSpyよりも正確なプレイヤーデータを算出する方法がかつて存在した。実績解除数がカギとなり、7月1日時点での1万3000タイトル分のデータが公開される

『The End is Nigh』のSteamグローバル実績ページ

ValveSteam APIから取得できる実績解除率のデータを用いて、かつてのSteamSpyよりも正確性の高いプレイヤー数を割り出すことが可能であったことを、海外メディアArs Technicaが報じている。barter.vgが発見した算出方法を、データ集積サイトSteamSpyの運営者Sergey Galyonkin氏が自身のサイトで使用している機械学習アルゴリズムに適用。Steamで配信されているタイトルのうち13000タイトルについて、71日時点の推定プレイヤー数を割り出すことに成功したGalyonkin氏は普段から提供データの拡散・転載に寛容であり、今回もArs TechnicaGalyonkin氏の許可を得て該当データを公開中(上述したリンク先にてcsvファイルもダウンロード可能)。csvファイルのデータは算出方法の発見者であるBarter.vgがチェック済みであり、精度の高いデータであるとされている。AUTOMATON編集部でも、独自の方法で数字を検証し、その精度を確認済みだ。

かつてSteamのマーケット状況を知る参考データとして活用されていたSteamSpyの推定所有者数は、Steamプロフィールから得られる情報をサンプルとしてはじき出した数字であった。推定値ながらもマーケット動向を探る貴重な情報群として、SteamSpyは業界関係者から活用されていた。しかしながら、今年4月にSteamプライバシー設定の仕様変更によりSteamプロフィールのデフォルト設定が「フレンドのみ」「非公開」に切り替わったため、タイトル所有者数のデータ収集が困難になった(関連記事)。そうした経緯もあり、売上・プレイヤー数を把握する別の方法が模索されていた。

スポンサーリンク
4月に発表されたSteamのプライバシー設定変更

そして上述した実績解除率に基づいたプレイヤー数の算出方法をbarter.vgが発見し、のちに『End Is Nigh』開発者のTyler Glaiel氏が自身のタイトルの数字と照らし合わせて見せたことで(Medium)、有益なデータとして参考にし得ることを示した。Steamの実績解除率は、コミュニティページ上で確認した場合、小数点以下1桁まで四捨五入されてしまう。だがSteam APIから抽出できるデータでは、小数点以下16桁まで情報を引き出すことができる。Steam APIから複数の実績の解除率を取り出し、公分母を計算。そこをスタート地点として推定プレイヤー数を求めていくことが可能となる。簡単な例でいうと、解除率50%の実績には最低2人のプレイヤーがいる。解除率33%の実績であれば最低3人。解除率50%の実績と、解除率33%の実績が同じタイトルにあれば、少なくとも6人のプレイヤーがいると計算できる。ここから発展させていくわけだ。

Glaiel氏が手掛けた『The End is Nigh』には「Beat The Game Deathless」という実績があり、Steam APIから得られる解除率は0.012782207690179348とのこと。実際に実績を解除した人数は62,587人中8人(開発者が知る実際の数字)。上記の解除率に浮動小数点数のエラー調整を行えば、8/62587になる。Glaiel氏はSteam APIから取得できるデータの精度が極めて高いことを検証し、SteamSpyGalyonkin氏に情報を共有。その算出方法をSteamSpyのアルゴリズムを組み込むにまで至った。

『The End is Nigh』

Ars Technicaを経由して開示されたデータによると、Valve社の『Team Fortress 2』はプレイヤー数は7月1日時点で5000万人超え。その『Counter-Strike: Global Offensive』(約4630万人)『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(約3660万人)といった定番タイトルが続く。またValveが発表した2018年上半期ランキング(関連記事)に含まれているタイトルを見ていくと、プラチナ入りした『Kingdom Come: Deliverance』は82.7万人、シルバー入りした『Raft』は81万人、ブロンズ入りした『House Flipper』は35万となっている。

『House Flipper』

注意点としては、実績解除率をもとにしたデータであるため、算出されのは売上数や所有者数ではなく、ゲームを起動したことのあるプレイヤーの推定数となる。よって、プレイせずに積んでいる所有者が多いタイトルであれば推定プレイヤー数と所有者数との乖離は激しくなるし、エンゲージメントの高いタイトルであれば推定プレイヤー数と所有者数の数字は近くなる。また実績の数が少ないタイトルだと精度が落ちるという弱点もある。

また実績機能を利用していないタイトルでは、そもそも数字を割り出せない。SteamSpyがリスト化したのも、Steamで配信されている全タイトルではなく、あくまでも実績機能が活用されている13000タイトルである。そうした点を考慮しても、かつてSteamSpyが開示していた推定データよりは正確な情報が取れていたわけだ。20187月時点のマーケット状況を知る上で貴重な情報となるだろう。

なお、この方法がメディアに取り上げられるようになってからSteam APIの仕様が変更されたため、現在は正確な数値を算出できなくなっている。とはいえValveは情報提供に非協力的であるというわけではない。Valveは現在、SteamSpyよりも正確なデータを取得できるような方法ツールを準備中とのこと(gameindustry.biz)。プラットフォーム提供者がどこまでの情報を開示してくれるのか、続報が待たれる。

ニュース

Indie Pick

インタビュー

レビュー・インプレ

Devlog