狂人となり終末世界を旅するアクションRPG『Almost Alive』Steam早期アクセス販売開始。初代『Fallout』から影響を受け開発に8年かける

フランスの個人開発者Emir Cerimovic氏は7月17日、『Almost Alive』のSteam早期アクセス販売を開始した。販売価格は1220円で、7月25日までは15%オフの1037円で購入できる(日本語非対応)。本作は2.5Dの手描きアニメーションで制作された、斜め見下ろし視点のポストアポカリプス・アクションRPG。プレイヤーは記憶を失った謎の男として、核投下により文明が荒廃した世界を冒険する。対立組織の紛争に巻き込まれ、無法者やミュータントとの戦闘に明け暮れるうちに、主人公は少しずつ正気を失っていく。

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『Almost Alive』は、開発者のCerimovic氏が影響を受けた作品として挙げている『Fallout』『Fallout 2』のようなポストアポカリプスRPGに、リアルタイムバトルや独特の精神異常システムを取り入れた作品である。全115種類の中からスキルを組み合わせるキャラクター作成機能、多種多様な武器を操る荒々しいリアルタイムバトル、誘惑・説得・脅迫などさまざまな選択肢が用意されるNPCとの会話。いずれもアプローチの仕方は無数にある。

序盤からけんか腰の荒れくれ者を演じてもいいし、挙動不審の臆病者として人との交流を遠ざけてもいい。後述するように操作キャラクターは何かしら精神異常を抱えることになるので、自分だけの狂人をつくってロールプレイを始めよう。うつ病のヒッピー、虚言癖のあるナルシスト、潔癖症のマゾヒストなどの組み合わせが可能である。

本作の肝となるのは、スタート時に触れる独特のキャラクター作成機能である。緑・赤・黄色の毒々しいUIが目に付くが、ひも解いていくと細部にこだわったカスタマイズ性が明らかになってくる。まずキャラクターの基本パラメータは筋力・耐久・知覚・知恵・敏捷・器用さの6項目(それぞれ最大値は100)。キャラクターの外見はプリセットから選択する形式となっており、人生経験を積んだ老兵になるほどスタート時に割り振れるバランスポイント(スキルポイント)が多くなるが、筋力や敏捷さの初期値は下がる。若者の場合はその逆だ。

続いてプレイヤーはバランスポイントをTraitsとCrazynessに割り振っていく。Traitsは言うなれば良性の特性、Crazynessは悪性の特性である。Traitsの内容は比較的オーソドックス。例えばストリッパーを選択すれば、蠱惑的なボディにより会話オプションの「誘惑成功率が高くなる。浮浪者になれば放射能汚染に対する免疫を持つようになり、猫男になれば回避性能が上がる。そのほか忍者、浪人、野球投手、料理人、芸術家、探偵、道化師、ファシスト、コミュニスト、アナーキスト、ランボー、パンク、ボクサーなど全部で50種類から好みの特性を組み合わせられる。

Traitsと対を成すのがCrazynessである。Traitsがバランスポイントを消費するのに対し、Crazynessはバランスポイントを加算する。クレイジーになればなるほど、スキルを身につけられるというわけだ。ただし、クレイジーになるとそれ相応のデメリットが生じる。例えば学習障害を選択すると、バランスポイントが6加算される代わりに知恵が50マイナスとなる。拒食症になれば筋力が15マイナスされ、アルコール中毒になると筋力と敏捷が10マイナスされる。そのほか薬物中毒、潔癖症、神経過敏、平和主義、ヒッピー、サディスト、マゾヒスト、サイコパス、ナルシスト、自殺願望、うつ病、カミカゼ、狂信者、臆病者、偏執病、変態、虚言癖、誇大妄想狂、閉所恐怖症など40種類以上のCrazynessが用意されている。平和主義者とサディストを組み合わせると自動的に統合失調症になったり、ヒッピーと自殺願望を組み合わせると気分循環性障害になったりと、闇が深い。この荒れ果てた世界でまともな精神状態を保てる者などいないのだ。

最後はAttributeポイントというものを基本パラメータのいずれか、もしくは性能補正スキルのアンロックに割り振る。これら諸々の選択により、キャラクターの体力、スタミナ、モラル、移動速度、経験値獲得倍率、スタミナ回復速度、発見力、荷物容量、射撃精度、リコイル、エイム速度、会話スキルなどが変動する。

『Almost Alive』の開発者であるEmir Cerimovic氏は、芸術家としても活動しているクリエイターである。戦争や社会の闇を題材とした作風が特徴だ。戦争を一般市民の目線で描くサバイバルゲーム『This War of Mine』のコンサルタントを務めていた時期もあり、極限状態に追い込まれた人間の精神の変化というのはCerimovic氏が描き続けてきたテーマなのだろう。それは本作のCrazynessシステムからも読み取れる。なおCerimovic氏は本作のためにUnityエンジンの使い方やコーディングの仕方を学習するところから始め、8年かけて開発してきたという。

『Almost Alive』の早期アクセス期間は、1年半から2年半を予定。現時点でゲームは5時間~10時間相当のボリュームとなっており、今後どこまでコンテンツが追加されるかは売れ行き次第となる。独特の絵柄・UI、暴言だらけの汚いダイアログ、終末世界らしい荒れくれた世界観など異彩を放っている分、それらを存分に味わう上では、ある程度の英語力が必要となるだろう。

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