とあるPC向け新作RPGは、追加された「ウィッシュリストの数」に応じて定価が下げられていく。その方式には賛否両論

パブリッシャーinXile Entertainmentが発売する新作『The Bard’s Tale IV: Barrows Deep』は、SteamおよびGOGで追加された「ウィッシュリストの数」に応じて特典が追加されていくようだ。ウィッシュリストとは、追加することで販売が開始されたり、セールが開始さされたタイミングで通知が送られるという、いわゆるAmazonにおける「ほしい物リスト」と同等の機能になる。この数が集まれば、ユーザーはさまざまな特典を得られるようになる。

具体的には、ウィッシュリストが10万件に達すれば、日本でも発売された『ダーケストダンジョン』の「トーチ」がゲーム内に追加される。30万件に届けば、定価40ドルであったゲームの価格が35ドルに。また50万件に到達すれば、ゲームの定価は30ドルとなり、さらに無料DLC「Dwarven Dungeon of Haernhold」が配信されるという。つまり、ウィッシュリストが50万件以上集まれば、定価が最大25%引きになるわけだ。ここからセールによって価格が下降することを考えると、定価が10ドル下がる意味は大きい。

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inXile Entertainmentによると、この試みは「インディーデベロッパーとファンベースの関係の進化」だという。Kickstarterにおけるストレッチゴールに近いシステムであるが、ユーザーは投資をする必要がない。形式としては、ミストウォーカーからリリースされている『テラバトル』のダウンロードスターターにも似た手法だ。またGaijinworksから発売された北米版『サモンナイト5』は、RTされたツイートの数に応じて値引きするキャンペーンを実施。定価の35ドルか4ドル低い31ドルで販売された。ウィッシュリストを用いたプロモーションとしては、今回のキャンペーンはかなり規模の大きいものになるだろう。

ただし、このキャンペーンについては面白いという声と同時に、苛立ちの声が寄せられている。というのも、『The Bard’s Tale IV』はKickstarterでの先行販売予約販売をおこなっているからだ。Kickstarterキャンペーンページでは、発売時の価格が45ドルになると見積もっていると記載されている。さらに公式サイトでは、ゲーム(通常版)を28ドルで販売している。Kickstarterのバックにも予約にもそれぞれ一般購入にはない特典が付与されているが、それでも“お得”であることを魅力に先行購入した人々にとっては、購入した後、かつ発売前に定価が大きく引き下げられるのは気持ちのいい話ではない。新たな顧客に向けた呼び込みとしては刺激的であるが、既存ファンの心境は複雑だ。

ちなみに、『The Bard’s Tale IV』は約30年ぶりとなるナンバリング新作。Unreal Engine 4を用いて、現代化されながらも、原点の回帰を試みる一人称型の3D RPGとして開発されている。実は、『The Bard’s Tale IV』は先月から配信されているベータも賛否両論で、Steamコミュニティでも現在「がっかりする準備はできたか」というスレッドが伸びており、ファンの期待と不安の声が入り混じっている状態だ。こうしたナーバスな雰囲気を払拭するために打ち立てたプロモーションが、ウィッシュリスト数に応じた値引きであったのかもしれない。本作は来月9月18日(現地時間)に発売予定だ。

なお8月15日には、多くファンの魅了した過去作3作品をリマスターした『The Bard’s Tale Trilogy』が発売されている。現在実装されているのは第一作目のみで、他の二作は順次追加されていくことになるが、ゲームの魅力は折り紙付き。日本語には対応していないが、最新作が気になった方は、こちらもチェックしてみてはいかがだろうか。

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