『PUBG』2018年上半期に新マップ実装へ。チート対策優先による開発遅延を経て待望のコンテンツ追加

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PUBG Corp.は2月20日、PC版『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)のテストサーバで適用される最新アップデートのパッチノートを公開すると共に、2018年上半期の開発ロードマップを3月中に発表する旨を明らかにした。上半期の計画には、新マップの実装も含まれている。『PUBG』の開発陣は以前より、島の中央に雪山がそびえるアドリア海テーマのマップ追加が構想に入っていると語っていた。その期待の新マップが近いうちにベールを脱ぐことになる。

今回のパッチノートでも言及されているように、『PUBG』における最優先課題は公平なゲーム環境を整えること。2月7日にはチート対策を強化するアップデートが配信されており、チートツール使用者との終わりなき戦いが続いている。2018年に入ってからは、こうしたチートツール・不正行為に関連したアップデートに集中してきたため、一部メイン機能及びシステム開発に遅れが生じているとのこと。そうした新規コンテンツや変更点も、3月に公開されるロードマップにて内容が明らかとなる。PINGが低いユーザを優先的にマッチングさせる新システムに関しては、近日中にテストサーバ上で実装される予定だ。

Steamマーケットで取引されているコスメアイテム。最新クレートボックスの最高レアリティ品であるバンダナは、昨年8月に実装されたミニスカート類ほど価格が高騰していない

ユーザ減少はチート対策の成果か

『PUBG』はチート対策を強化した2月以降、初のユーザ減少傾向を見せている。本作のクリエイティブ・ディレクターであるBrendan Greene氏は昨年12月、チート行為の99%は中国のユーザによるものだと発言していた(関連記事)。また『PUBG』にアンチチートプログラムを提供しているBattleEyeは今年1月だけで100万人以上のユーザをバンしており(関連ツイート)、チート行為によりバンされたユーザの99%が中国からのアクセスだったと報告している(中国のゲーム事情を報じているYouxi Storyより)。ユーザの減少には、チート対策の成果という側面もあるのだろう。

なおチーターの大多数が中国に集中している理由として、単純に中国のユーザ数が他国のそれを圧倒していることも忘れてはならない。Steamのデータを観測するSteamSpyによると『PUBG』のアクティブユーザの約半数が中国のユーザである。ただ先述したYouxi Storyが伝えているように、中国では不正ツールの組織的な販売が常態化している。数だけの問題というわけでもない。

また2017年11月にテンセントが『PUBG』の中国での独占運営権獲得及び中国サーバの設置を発表した直後には、すでに中国のアクティブユーザ数が頭打ちとなっていた(関連記事)。中国サーバの発表とチート対策の強化。この2つが合わさってのユーザ減少と見ることができそうだ。2月13日以降はサーバ/接続関連の障害報告も落ち着いているため、障害起因のユーザ減少ではないだろう。

中国ではモバイル版『PUBG』(绝地求生:刺激战场)もオープン

ひとつ気になる点としては、Twitchの視聴者数において同ジャンルのタイトル『Fortnite Battle Royale』に抜かれつつあることが挙げられる(GitHypによると『Fortnite』が1時間あたり10万人を超え始めているのに対し、『PUBG』は4万人〜7万人)。『PUBG』の新規コンテンツ追加が遅れる中、『Fortnite Battle Royale』はフットワークの軽さを武器にコンテンツ・アップデートや期間限定イベントを続けている。ゲームプレイに影響するものから、シーズン毎に一新されるコスメティック・アイテムの販売まで。50対50のお祭りイベントもあり、話題提供には事欠かない。相対的に見て『PUBG』のフレッシュさが薄れてきていることも、ユーザ数にジワジワと影響を及ぼしてきているのかもしれない。『PUBG』の新マップ投入により、ユーザ動向に変化が生じるのか注視していきたい。

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