『TES V: Skyrim』リマスター版が発売決定、原作所持するSteamユーザーには無料でアップグレード

 

Bethesda Softworks(以下、Bethesda)は13日、「E3 2016」のプレスカンファレンスにて、『The Elder Scrolls V: Skyrim』をPlayStation 4/Xbox One/PC向けにリマスターした「Special Edition」を、10月28日に発売することを明らかにした。全てのダウンロードコンテンツが収録されていることに加えて、コンソール版もPC同様にModへ対応。また、すでに全ての追加コンテンツを含めたオリジナル版、もしくは「Legendary Edition」を所持しているSteamユーザーは、同日から無料でリマスター版へアップグレードできる。


原作と「Special Edition」の比較映像は3分14秒から

 

膝に矢を受けてしまった衛兵再び

『The Elder Scrolls V: Skyrim』は、2011年にBethesdaからPlayStation 3/Xbox 360/Microsoft Windows向けに発売されたロールプレイングゲーム。『The Elder Scrolls III: Morrowind』『The Elder Scrolls IV: Oblivion』に続くシリーズ5作目で、『Fallout 3』や『Fallout 4』と並んで、Bethesda Game Studiosが手がけるオープンワールドRPGの金字塔といえる。特にPC版では、コミュニティサイトNexusやSteam Workshopを通してModに対応しており、今もなお根強いユーザー層に支持されている。2012年に、3つの追加ダウンロードコンテンツ「Dawnguard」「Hearthfire」「Dragonborn」が発売。2013年には、その全てを本編とセットで収録した「Legendary Edition」がリリースされた。

シリーズ屈指のヒット作をHDリマスターで復刻する「Special Edition」の存在は、以前から海外メディアを中心に噂が流布していた。今回、満を持して正式に発表された形だ。「E3 2016」のプレゼンテーション動画では、オリジナル版とリマスター版のグラフィックを比較している。リマスタリングによるアート・エフェクトの画質改善に加えて、「Volumetric God Rays」(レンダリングされたシーンに照明効果を追加する技術で、環境に差し込む光の筋を可視化する際などに使われる)や、「Dynamic Depth of Field」(焦点付近以外をぼかす視覚効果を動的に変化させる技術)の採用により、風光明媚な世界観にさらなる磨きがかかっていることが確認できる。また、雪原や水面にも新たなシェーダー(陰影処理を施す技術)を導入しており、オリジナル版との違いは一目瞭然だ。

メニュー画面から簡単にModへアクセスできる
メニュー画面から簡単にModへアクセスできる

特筆すべきは、PC版のみならずPlayStation 4とXbox One向けにも、Modの導入へ対応したことだ。メインメニューからModの閲覧やダウンロードが容易に行える。実は、コンソールにおける『The Elder Scrolls V: Skyrim』のMod対応は以前から議論されており、ゲームディレクターを務めるTodd Haward氏が導入を模索していると公言したことがある。当時は、Mod導入による安全性が確保できないという理由で実現には至らなかったが、近年になって『Fallout 4』がXbox OneでModに対応。その波に乗る形で、一度は断念を余儀なくされた計画がついに花開いたといえる。この秋、“膝に矢を受けてしまった衛兵”がHDで蘇る。